第17話 占術士の必要な志
さて、妖精達にやっと解放されたわけですが。
とりあえず夜になるまで場所を頭に入れることにしました。
「もう直ぐ占術専門店が閉まるが大丈夫か?」
「大丈夫です。」
実は占術専門店に用事はないんですよね。
占術専門と看板を掲げてはいるが、基礎に使うようなものしかなく何よりとある理由で相性が悪いのだ。
前回占術士をしたことあるからわかったことでもあるのですけどね…。
「フィニー、前回100年前を思い出せというのはなんか申し訳ないですが、教会で補助職業を得たときに私のとった行動覚えてます?」
「ん?確かそうだなー…。確か気が狂ったように何十本の蝋燭を灯して瞑想していたり…、顔が書かれた変哲な壺を買って頭にそれをかぶったあと踊り出したこととかか。あれは傑作だったからしっかり覚えてるぞ。」
うわぁお…若気の至りですね。
「えっと…おほん。そのことなんですが、占術は人によって相性の良い道具等のがあるみたいなんですよ。」
「ん?どういうことだ?」
占術士は様々な物事や運勢を占し者。
そして占術士自身もその対象に入るため、時の運に身をまかせることこそ占術士たる所以であるとフィニーに伝えました。
最悪何もない石ころがその人にとって占術の最適な道具となったりするから…たまったものではないのですけどね。
「今日の夜、お金を持っているとその相性の良い道具が手に入る気がするので待つことにしたんです。」
「なるほど…直感も占術たる所以か。」
そういえば…私最後に占術を使った道具あまり覚えてないんですよね。
確かあれはそう…石材を自由に加工できるドワーフさんに正八角形に削ってもらった最長1m20cmくらいの紙のように白く平たい石版で…、身長のせいで持ち運び大変だったからフィニーに運ばせてたんでしたっけ?
見た目とは裏腹に軽く頑丈すぎてトンカチで叩いても傷つかなかったんですけど、加工できない大変すぎて価値もない石なんで安かったんですよね。
「ナツメ、あれに見覚えないか?」
そうですね。丁度あれくらいのー…あれくらいのー…?
「あーーーー!」
思い出しました!そうあれですあれ!
石材屋さんなのでしょうか様々なたくさんの石が並んでいる中、目立つような形で例の石版が飾ってありました。
やたら占いが当たるから重宝してたんですよー…。あれ?なんでここにあるんです?確か最後は王都マリンでお別れしたはずなのですが。
あ、おじいさんが出てきました。
「おや、いらっしゃい。大声がしたから来てみれば可愛いらしいお嬢さんじゃのう。」
「あの、すいませんこれは…」
私は無意識にその石版を優しく撫でているとおじいさんが少し目を見開いて驚いていました。
「お…お嬢さん、それに触れても大丈夫なのかい?」
「え?はいなんともないです。何か問題がありましたか?」
「おぉ…、こんなことがあろうとは…。」
フィニーがその石版を優しく触れると何か頷いた様子で頭を縦に振った。
「爺さん。この石版を譲ってくれないだろうか。」
あ、そういえばフィニーの相棒でもありましたね。
道中襲われた時フィニーが胴体に固定していたおかげで奇襲から何度も防いでくれていたの思い出しました。
「獣人殿、それは客にお渡しできるものではございませんのじゃ。」
「…3金でもダメですか?」
私がお金をいくら出すか提案しました。
「3金!ぬぅー…それでもダメじゃ。」
「…理由をお聞きしても?」
おじいさんは難しい表情をしていたが、観念したように私達を近くにあった椅子へ案内した後語り出しました。
「あの石版は呪われておるのじゃ。」
なるほど呪われているんですね。
きっとこれも私たちのせいなんでしょうね。
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