第14話 エロフはやっぱりエロフだった男。

「はぁ~…やっぱりフェイル様は素敵だわー。」


うん顔が良いのは分かるのです。

でも…受付のお姉さんお願いだから仕事してくださーい。


「え…と受付のお姉様、改めてギルドカード登録したいのですが。」

「おら、いやだーお姉様だなんて…あ、こほん。かしこまりました。」


その後、書類に簡単な項目のチェックを終えると半透明の板に手を置きました。

これは職業が分かる魔石盤で、基礎職業の文字が浮かびあがりそれを映すことでギルドの登録が済むのですが…。


「…占術士ですか!」

「え?はいそうですが…。」

「あ、ごめんなさい。ちょっと占術士の方が最近人手不足でして…。」


何かまずいことになったのでは?っと思ったがどうやらそうではありませんでした。

理由を聞くとどうやら最近職業に悩む人が多いらしく、各地で自分がどの基礎職業がおすすめなのか分からず無職でがんばる人が増えてしまったらしいのです。

ちなみに基礎職業の獲得と補助職業の変更は教会できるのですが、人生に左右されるため迷ってしまいなかなか教会に足を運ぶ勇気出ないのだと聞きました。

基礎職業の獲得は無料な分慎重になりすぎるのだとか。


「それで占術士を雇おうとも思ったのですが。過去に私欲で人の人生を操る占術士が出て以来信用できる方が少なくなってしまったんですよね。」

「そうですか…。」


これはなかなか厳しそうですね。

本来占術士は他人の幸せを願って占うものなのですが、私欲目的でも活用できてしまうためなかなか解決できない問題でもあります。


「話は聞かせてもらったよ。お嬢様。」

「うわぁ!」


フェイルは油断も隙も無いんだから…フィニー怒ってますよね。


「…カリナさん、彼女は信頼できるとギルドマスターに伝えておいてください。あとこれの手紙も渡してもらえると。」

「え、は…はい!」


あら、真面目な雰囲気になりましたね。

おそらくフィニーと話して私を誰か気づいたのでしょう。


「さて、お嬢様取引をしよう。」

「…言わなくてもわかりますよ。私の持ってる情報を渡してほしいんですよね。」

「んー、話が早くて助かります。できればあなたの下着も欲しいのですが。」


余計なことを言わないでください。

あー、もう周囲がざわついてるしフィニーが怒ってるじゃないですか。


私はすぐに紙に書いた後手渡しをしました。


「これが私の知っている情報になります。」

「…ふふ。ありがとうマイハニー!」

「私はあなたのハニーじゃないです。ですよ!それにその言葉は紙の方に書かれた方に言ってあげてください。」

「は!これはすまない。じゃまたどこかで!」


その後颯爽とフェイルはギルドから立ち去りました。

…正直疲れました;あと数年は顔を見ないことを祈りましょう。


「えっと…、フェイル様とはどのようなご関係で…。」

「ある人からあの人に情報を渡してくれと頼まれたんですよ。それで容姿を確認できたのでその情報を渡しただけです。」(大嘘)

「なんて書いたんですか?」


さすが受付嬢だけあってさっきやり取りを疑ってますね。


「そうですねー。『南南西に美しい菜園を作っている目的のドワーフがいますよ。』と書きました。幼馴染なので農業していること知ってるんですよね。」

「そうなんですね。なんだか今日のフェイル様とてもうれしそうだったので…」


そういう意味で疑ってましたか。

しかし下着を要求するあたり…むっつりスケベはかわっていませんでした。

まあ、私と美菜以外の下着は興味ないのがいまだに納得できない部分ありますが。


「しかし、さすがにフェイル様から信用できるといわれても…先ほど来たばかりの方を信用するのは厳しいものがあります。」

「それは大丈夫ですよ。明日まで待ってもらえれば実績は取れるので。」

「え、そうなんですか?」


それに下手するとギルドマスターが大慌てになりそうですからね。

手は打っておきましょう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る