第一章 転生
第1話 神様との会話…長いよねぇー
『それでねー。二人が亡くなったと聞いたのですぐにきちゃったの。』
あれから女性の姿で姿を表した神様と体感で一時間会話しているのだけど、如何とも私達も年をとったせいかしら色々な話題が出るわ出るわで流石に区切りのいいところで私は聞いてみることにしました。
「それで神様はどのようなご用事で私たちに会いにきたのでしょう。」
『あら〜、そんな堅っ苦しくなくていいのよ。夏ちゃん。』
相変わらずこの神様とてもフレンドリーですね。
『いやね。邪神を倒してくれたこともあって私たち神様のなかで意見分かれちゃってね〜…。あなた達みたいに邪神殴り倒せる強き魂って少なくって是非うちにもきて欲しいっていうのよ?』
確かに私も美菜も死んでも相手を殴り倒すのがもっとうなので、終盤の邪神さんはなぜか私たちに恐怖を覚えてしまってたらしいのですが。
「…私の中では強い邪神と戦うのはもう勘弁して欲しいんです。」
「私も同意見かな〜。そういう魂って人生の中で育っていくものだと思うんだよね。」
『うん!至極まっとうな意見ね!』
そんなあっさり良いのでしょうか。
『確かに使いっ走りは私も許せないと思うからこっちから説得しておきます。せっかく私の作った世界を救ってくれたお二人ですものお礼もまだしてないですしね。』
神様は一呼吸置くともう一つ教えてくれました。
『それに本来あなた達はもっと生きれたはずなんですけど、邪神との戦いはそれだけ寿命も磨耗しちゃうことだから…いわゆる強制力というやつね』
なるほど。だから私達は60前後で亡くなったということはそれだけその強制力は強力だったのでしょう。
「いいのです。満足して生きれましたし暗くなるのはやめましょう。薄々わかってて私達もやったことですしー…、真っ暗な部屋にろうそく灯す気持ちで行きましょう。」
「いや、なっちゃん怪談でもする気なの。」
「…オフトゥン用意しなきゃ。」
「そうじゃない。」
『あら、それなら今でもできるわよ。』
「神様も乗らないで〜!」
美菜がツッコミ入れてくれるからついボケちゃうのよね。反省反省。
その後、神様から提案された話を聞きました。
『おほん、それでね。私がここにきたのは二人に提案をするためなんだけど…もしよかったら私の世界に来てくれないかなって…。記憶もそのままでね。』
美菜と私はお互い視線を合わせて答えを導いてみました。
「それってえっと…召喚ではなく転生するということで大丈夫です?」
『その認識で間違い無いわ。』
「いわゆる流行ってた異世界転生というやつですか!」
「メタい!」
『あら、あなた達の世界ではそういうのが流行ってるの?』
「あ、説明しますね。」
私達は神様に小説や物語等に関して簡単に説明しました。
『…あはははは、あなた達の世界って本当面白いわ〜。妄想だけでそこまで考えれるなんてね。』
「私が語るのもなんですが、異世界経験してると本当にそう思います。」
私がそのように返答すると美菜も隣で頷きました。
神様は笑っているが異世界を冒険したからわかることであり、この言葉の重みを理解できるのです。
普通に魔法が使え、大量に魔物が出て生き延びることが精一杯な世界だと娯楽に目が向かないのでしょう。
そして、私達も異世界を冒険し始めた時は目の前で人が死ぬ当たり前の世界に心が死にそうになったこともありました。
『羨ましいわ〜…。そう言う娯楽って私の世界にはないもの。』
「…そうですね。なんだか色々やりたいことも見えてきました。」
「なっちゃんも?」
私達は多分同じ考えなのでしょう。
だから自然と口に出ました。
「あなたの世界に転生させてください。」
あ、神様は目を見開いた姿も綺麗ですね。
『…ありがとう。』
私達の返答を聞き神様は優しく微笑んだのでした。
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