施設説明③
村に来訪者がありました。コルガナ地方からやってきた冒険者ギルド本部の調査員のようです。緑髪が美しいエルフの女性神官ですね、なんと可愛らしい。隣には少しハイテンションな魔道技師がいます。出迎えた君達に二人が挨拶をしてきました。
「こんにちは。セレンです。守りの剣の調査にきました。よろしくです。こっちは魔動技師のフェルトー。」
「ハァイ!フェルトーだよ!もし守りの剣が本物なら、冒険者ギルドに必要な本部との連絡装置を付けなきゃいけないからね、そのためにきたよ!」
という事で、守りの剣まで案内してほしいそうです。魔神やレッサーオーガの化けた偽者じゃないかと疑うなら、今まで何をして来たのかとか、何かしらの質問をしても良いですよ。多分このNPCの事全然知らないと思うので。
(コルガナ地方での活躍について聞く)
「セレンさん、凄いんだよ!ボスンハムン決戦後も被害に遭った人達を沢山治療して、おかげでコルガナ地方の建て直しはすごく速く進んだんだから!」
「懐かしいですね、"大浸食"。よくご存じで。」
(大浸食についての詳細をきっとふにゃさんが聞いてくれる)
「あれ、そこまで知っておられるとは。そういえば、エンレイが本を書いていましたね。脚本担当のシャロームが凝り過ぎて唸っていたのを覚えています。あまり長く共に居なかったもので、私の事は書かないだろうと思っていたのですが、どうやら名を連ねていただけたようで。」
「セレンさん、その時の話になると少し饒舌ですよね。楽しそうというか。」
「そうですか。あまり気にしたことはないのですが。」
(エドワードと邂逅)
「アルヴですか。珍しいですね、人生で会うのは二人目です。仕事はされてますよね?」
「それはなにより。私の友人は、最近同居人を転生させたとか恐ろしい事を言う方なので。普通のアルヴに出会えて光栄です。」
(魔動機を持っている人と邂逅…買えないから多分いない)
「ウワァオ!! 君のそれ、素敵だね! 解体していいよね!!」
「フェルトー。」
「んぐ、むぐぐ…」
疑う余地も無くセレンちゃんでしょう。エンレイの出版した本についてはしばーらくお待ちください。やっぱ一年かかります。
という事で、守りの剣の安置された工房へ案内しても良いのではないでしょうか。魔剣の主であるセイルを紹介しても大丈夫そうです。
正直に言えば、ここを疑われたくないので知ってる人を連れてきた形です。魔剣の主がセイルだとこの2人にバレても問題ありませんので、安心してください。他の人についてはどうなっても知りませんのでご注意を。セイルはまた訓練場にいるようです。
といったあたりで、フェルトーが気になる言葉を口にします。いえ、気になるかどうかは皆さん次第なのですが。
「で、魔剣に選ばれたのはどちらさんなのかな?」
先程まで守りの剣と言っていた彼女達でしたが、今回は魔剣についての質問になっています。セレンが続けます。
「"ドライブマスター"よりいただいた情報では、守りの剣が魔剣のように持ち主を選んだ、というか、魔剣が守りの剣と化したとの事でした。魔剣であれば、持ち主を選ぶはず。それが魔剣の迷宮の根源ですので。」
(セイルについて話す)
「あー、そっか、なるほどつまり魔剣は見つけた君達じゃなく別の人を選んだと。普通に考えたら、君達のはずなのに。それって、君達じゃ役不足ってことだよね?」
「フェルトー。」
「だってそうですよね? 普通、見つけてくれた人を選ぶはずなのに。それって、原因が無いとおかしいじゃないですか。見つけた人が、弱かったからとか。」
「フェルトー。」
「だってぇんぐ…んんん……」
フェルトーの口が強制的に閉じられているように見える。セレンはため息をつきながら、冒険者達に謝意を述べる。
「…はぁ、すみません。彼女は私よりも人付き合いが苦手です。あと悪い子なので気を付けてください。魔動機はあまり見せないようお願いします。」
「ですがまぁ、正直フェルトーの言う通りです。これから訓練場に向かうのであれば、少しで良いので皆さんの実力を見せてもらえると。剣を見つけたのは偶然か実力か、一般人でもなければフェルトーも納得するのです。」
訓練場ではセイルが案山子相手に素殴りしていました。最近は村長がいなくとも、一人で訓練を行っているようですね。村の手伝いで幼少期より重労働していたからきっと基礎筋肉もバッチリなんでしょうね、そうすると背が伸びないのも仕方が…ゴホン、セイルは君達に気付くと汗を拭きながら元気に挨拶してきました。
「こんにちは!セイルって言います!今日はよろしくお願いします!」
事前に話を聞いていたのか、セイルは警戒なく2人に挨拶します。その姿を見た2人はセイルの見た目の幼さに驚いたようで、魔剣が少女好きなのかとか、実はスプリガンで物凄い剣の使い手だとかで盛り上がってました。本物のスプリガンさんは黙ってても大丈夫です。
しばしの会話のうち、受け答えはしっかりとしているため見た目ほど幼くはないのかな、と判断したようですね。
ある程度の問答を終え、セレンはこちらに視線を向けます。
「さて。別に僕達と戦う必要はありません。最低限、その案山子を倒せば十分です。では。」
セレンが魔力を捧げると、訓練場に設置された案山子が自動的に動き出しました。セイルがびっくりして声を上げます。
「うわっ!動いた!」
「そうですよ。この案山子は動く案山子です。とても気になります。どうやら、ご存じなかったようで。」
ここにある案山子はただの的ではなく、戦闘訓練も出来る性能だったようですね。村長も知らなかったのではないでしょうか。セレンは見ただけで判断してました、流石。
ということで、この案山子とバトルです。シンプルに弱い相手なので負ける事はないでしょう。
「ああ、その花飾りは、戦闘中は外してくださいね。」との事です。魔剣が見るのは本来の実力なので。
↓
お疲れ様でした。セイルちゃんは飛び跳ねて喜んでいますね。フェルトーはふーんといった表情、セレンはまぁそうだろうといった感じで特に驚き等はありません。
「お疲れ様でした。十分、戦える実力はあると思います。やはりそうなると、何故魔剣が少女を選んだのかが不思議なわけですが。」
「うーん、なんででしょうね? やっぱり、魔剣自体が少女好きだとしか…」
「少女じゃないもん!もう大人だよ!…ですよ!」
わちゃわちゃとしながらも本来の目的である守りの剣の確認へ向かうのではないでしょうか。本当は村長も立ち会わせたかったのですが、どうやらお出かけ中のようですね。後で報告しましょう。
剣の安置場所であるスミロフ工房までやってきました。迎えたスミロスは来客者がギルド本部所属だと分かると、慣れているようで「こっちだ」と用意した安置所まで連れていきます。いつの間にか地下ができてますね、土関係であればあの水色の人はなんでも出来るようです。魔剣は台の上に水平に安置されてます。調査員の2人が確認に行きました。
「えー、なんだこれ、守りの剣なんだろうけど凄く魔動機だ。魔剣って話を聞いてたけど、うーんどう見ても魔動機だよ。解体しても…んんん、嘘、嘘だから! 魔剣の主の子に、持たせてもらってもいいかな?」
フェルトーは観察すればするほど疑問が湧いてくるようで、一先ず魔剣である証明を確認したいようです。セイルは気合を入れて剣に近づいていく。
「あれから、いっぱい鍛錬して重い剣も持てるようになったんだ!この剣も、今度はしっかり構えられるはずなの!」
村長の指導のおかげか、元々の素質か、この短い期間でセイルはだいぶ頼もしくなったようです。彼女が近づくと魔剣に嵌め込まれた石が強く輝く。つかを握り、大剣をしっかりと両手で構える姿は、鍛えられた甲斐もあり戦士として遜色ない構えであった。ふぅん!(ドスの効いた力強いボイスで)
「うひょー!めっちゃ眩しいよ!なんで持ち手に反応するんだろ?・・・ん?ンンンンン???これ、もしかして鞘なんじゃ・・・」
目の前で観察していたフェルトーが剣の根本をカチリと押した。すると魔剣は刀身が一段ほど浮き上がり、三枚おろしのように分離する。セイルの持った中骨部分は新たな刀身が確認できたが、何よりフェルトーが驚いたのは、分離した左身・右身が落下せず宙に浮き続けている事だった。握っているセイルは初めて持った時と同じように驚き戸惑っている。
「え! なに、なにこれ!?」
「ま、守りの剣が、分離した・・・?」
「浮いてる!セレンさん、剣が浮いてる!すごいすごい!!」
「浮いてますね。まるで持ち主を守るよう。魔導機術のオートガードと同等に見えます。であれば外殻はマギスフィア…?」
セレンはその現象を一眼で見抜いていたようです。ですが魔法の出どころが分からないようで、フェルトーより難しい顔をしています。
「持ち主が魔動機術を発動した形跡はない。でも明らかに持ち主の魔力を参照している。そしてこの新たな刀身。複数の魔石がパズルのように付着しています。まるで人工的に組み合わせられたかのようです。」
「てことは、まだ分解されるのかな!? まだ浮く事も!?」
「これが魔動機なんだとしたら、まだまだ動くんじゃないか?」
「ですね。いえ、きっとそれがこの剣の特徴なのかと。持ち主の魔力によって外骨格が起動。フェルトーが押した起動ボタンによって戦闘形態に移る仕組み。浮くために持ち主の魔力を吸ってるっぽい。一度止めないと、彼女が疲弊します。」
体調を考え剣を置くようセイルに促したが、当の本人はきょとんとしているようだ。
魔力を吸われていると分からないのか、別の要因があるのか、もしかしたら冒険者はその様子を見て何かに気付くかもしれないので、セージ宝物鑑定判定をお願いします。スカラーもOKですが専門分野でない場合は目標値+2されます。
(目標値17,既に一度ソレを見ている場合は達成値+2、成功時はセイルのページ参照)
(不明時)君達は良く分からなかったが、セレンは「ああ、そういう…」とつぶやき、一人納得したように剣を構えるセイルの頭を撫でた。
「似合っていますよ。それは、ご両親から?」
そう言われたセイルは少し恥ずかしがりながらも「うん」と返した。その感情に反応したのか、新たに姿を現した魔剣に嵌る魔石の一部が輝きだし、機械音と共に更なる動きを見せる。先程と同じように、魔剣は変形の兆しを見せ始めた。メルトーの「うひょー!!」という声と共に見守る一同が興奮の渦に包まれたが、少し経つとセイルが急に焦り出す。
「あっ、待って、それはダメなの!!!」
何か我慢ならない事が起きたらしく、堪らずセイルが剣を離す。同時に変化は収まり、浮いていた鞘が戻ると共に元の守りの剣に戻っていった。いつの間にか様子を見に来ていたアクシズがセイルの元に駆け寄り、身体に不具合がないか気にしている。
「ちょっと、無茶させないでよ! セイルちゃん、大丈夫?」
「あ、うん、大丈夫なんだけど、、、ちょっと、、、」
いつものようなハキハキとした快活ボイスとは違い子どものようにもじもじと言い淀む様子は、伝えられない事があるのだろうと誰にでも判断できるものであった。
「すみません、大丈夫なら良かったです。フェルトーの作業が終わるまでこの村に留まりますので、少しの間、よろしくです。行きましょう。」
「あ、はい。スミロスさん、工房の案内をお願いできますか?」
「了解した。こっちに、機材はある。」
セレン、フェルトーは自身を部外者と判断し、スミロスを連れそそくさとその場を後にした。君達も同じように外へ出ても構わないし、セイルに少し話をしてもいい。直球で聞くか、別の話で彼女を和ませるか、少し敵対気味のアクシズに注意しながらお選びいただけると幸いです。
(直球:何か体に異常があったのか?どうして手を離した?等 失礼な聞き方の時はアクシズが止める)
「え、うん、ちょっとね、痒くなっちゃって・・・でも大丈夫だから!元気だよ!」
「今舐めるように彼女を見たでしょ!幼女見るなんてサイテー!」
「お親方、よ、幼女じゃないもん!もう大人だもん!!バカ!!」
セイルはちょっと怒りながらも、アクシズの慌てた対応に笑顔で応えています。確かに元気なようで、身体に異変があった等はなさそうです。
(別の話題を振る)
「え、あ、うん!大丈夫だよ!(アドリブ頑張れGM)」
頷く姿は確かに元気なようで、身体に異変があった等はなさそうです。
↓
問題のない様子を確認した君達は、ここにいても仕方がないのでそのまま安置所を出ようとします。するとアクシズに抱きつかれながらもセイルが声をかけてきます。
「冒険者さん! あのね、言えなくてゴメンね。でも、危ないから、言えなくて。お父さんには、約束を守ってくれる"お父さんくらい強い人"にしか言っちゃダメって、言われてて。」
少し言い淀みつつ、今の感情を言葉にしていくセイル。君達の事を信頼はしていても、逆に迷惑をかけてしまう事が心配なようです。1人でオーガウォーロードを倒し切るお父さん並の強さはとてもハードルが高いと思いますが、今よりも強くなっていけばそのうち話してくれるかもしれませんね。
(自称レベル13のアクシズが知っているかどうかは濁す)「さぁ?私は他人の秘密に興味ないもの。セイルちゃんが信頼してくれるってだけで十分よ。」
↓
さて、あらためて地上に上がると、セレン、フェルトー、スミロスの3人が魔剣の話で非常に盛り上がっていました。上がってきた君達を差し置いて、専門家達が舌戦を繰り広げています。今はもう推定からの妄想の話をしているようで、このまま聞いていても君達に有益な話があるかは微妙なところです。何か質問があるなら聞いてみてもいいかもしれないし、結局この剣は守りの剣としてどうなのかと結論を聞いてもいいかもしれません。とりあえず全部聞きたいと言うならGMの1人話がまだ続きます。あとでカクヨムでも読めます。どうされたいですか?
↓
(聞き続ける)
Fel「ズ!バ!リ!あの魔剣は魔動機文明時代に作られた高性能魔動機の一種だと思うんです!オートガード機能もそうですし、駆動音がいちいちロマン溢れるウィンウィンな感じ!あ~分解したいなぁ~守りの剣じゃなければなぁ~」
Smi「いや、どうだろうか。高性能魔動機は何台か見た事があるが、剣の魔石が埋まってるってのは見た事がない。魔剣としての特性が"他物質を取り込む"とかで、魔動機や他の物質を吸収してあの姿になったんじゃないか?その仮定で、守りの剣も取り込んだとか。」
Ser「筋は通るですね。オートガードの部分とその他部分では機構が全く異なっていたし、複数の魔石についてもそれであれば可能性はあります。」
Mel「じゃあ、最初からプログラムされた機能って訳じゃなくて、魔剣が魔動機を操縦しているってことですか? そんなとんでも魔剣、あるわけ…ないとは言えないですよねぇ。」
Ser「世界は未だ解明されない点が多いです。もう一つ問題は、他物を取り込む様な、そんな貪欲な魔剣が何故、邂逅どころか戦闘経験すらない村の少女を持ち主としたかです。魔剣は確実にセイルに反応しています。恐らく彼女は…いえ、これは内緒ですが、彼女の特異な体質を気に入ったのかもしれません。」
Smi「そうだな、あの嬢ちゃん、何やら色々大変そうだし、あんまり負担は掛けさせたくないんだが…おう、来たかお前ら。」
君達にやっと気づきました。ギルド本部の二人はあらためて剣について話を始めます。
「守りの剣についてです。安定稼働を見届けないと確証が得られないので、少しの間ここに留まる事にします。」
「研究対象としては持ち帰りたいくらいなんだけどね! 効果範囲が変わる剣なんてアタシも初めて見たもんで、ちょっと色々確認しないとなって!」
「だそうだ。水妖、空き家はあるか?」
「それが人にモノを頼む態度なのかしら? んでもって、この私が用意していない訳ないでしょ?」
ということで、少しの間ですが2人は滞在する事になりました。確認作業だけでそんな長くはいないのでそのつもりで。フェルトーがため息交じりに語ります。
「本音を言えば、冒険者ギルドをこっちに立て直したいってのが本部の意向なんだよね。ロックウッドはあまりにもこう、ほら、交通の利便性以外絶望的だし。スクランブル=フランクはアタシは嫌いじゃないんだけど…ねぇ? だから新しい剣がこの地方で見つかったって聞いた時は、皆飛んで喜んだんだよ。」
若干濁しつつ苦労を語るフェルトー。セレンが続きます。
「この場所は、昔は教導の地と呼ばれた歴史ある村です。それゆえ蛮族の襲撃も激しかったらしいですが、"壁の守り人"の中にもここ出身の方が多くいたそうで、ギルドとしても思い入れの強い場所になっているのです。」
「そ!私の師匠の師匠の師匠もここ出身だったんだって! ギルド作れたら作っちゃいたいんだけど、その辺は村長さんと相談かな。」
思い出語りに花を咲かせる来訪者達。この村もだいぶにぎやかになってきましたね。
てことで、訓練所で案山子と戦えるようになったという事と、もしかしたら冒険者ギルドが移動してくるかもしれない、という話でした。ここから先は自由行動です。では解散
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