ドームの世界 島石浩司様

【タイトル】 ドームの世界

【作者】 島石浩司

【ジャンル】 SF

【執筆状況】 連載

【形式】 長編

【読んだ話数】 「第5話 サイバー都市」まで

https://kakuyomu.jp/works/16817330654741192834


 環境悪化と災害によって都市が崩壊した世界。人類はドームを建築し、その中で生活しています。ドームの外に出るには空調スーツと酸素タンクを背負う必要があり、ドームの外で暮らす人たちは自由民と呼ばれています。

 ドームの人間はドーム外の自由人を一人ドームに同居させることが出来るという規則があり、主人公はドームの外で出会った少女と一緒に暮らすことに。


 世界観としてはとてもシビアですが少女との交流はほのぼのした雰囲気で進んでいきます。初めてのドームで戸惑う少女や主人公の家族との交流。日常が丁寧に描写されているため、この世界で生きる人々の生活がどのようなものか、その問題点もよく分かります。

 ドームを作ることで生き残った人類ですが、生活し続けるためには電力が必要です。そこに問題が起こりつつあるというのが分かるところで一万字ほど。

 主人公がその問題をどう解決していくのか、ドームの外にある旧都市というのがどういうところなのか気になるところです。


 旧都市ってロマン感じませんか?人類完全に滅んでないので、ポストアポカリプスとは違うのでしょうが、それに通じる雰囲気が良いです。この世界をもっと見てみたいと思わせてくれる世界観を作れるってそれだけですごいと思います。


 文体はライトノベルと言うよりも文芸作品のような雰囲気があります。それが世界観とマッチしているように感じます。カクヨムってラノベが主流なので文芸系の文体に出会えると掘り出し物見つけたみたいな気持ちになってテンションあがります。


 ファンタジー畑の人間なのでSFってあまり読みません。難しい専門用語などがたくさん出てくるとよくわからなくなってしまうからです。しかしこの作品は現代の我々の生活から地続きであるという印象が強く、設定としても受け入れやすい。

 今を生きる私達からするとよくわからない感覚などもありますが、そこも含めて未来を生きる人々の生活を覗いている感覚を味わえます。


 私のようにSFジャンルにあまり触れていない方もこの機会に読んでみてはいかがでしょうか。

 企画に参加いただきありがとうございます。


 

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