一万字読書 カクヨムコン9版

Fairies 西澤杏奈様

【タイトル】　Fairies

【作者】　西澤杏奈

【ジャンル】　現代ファンタジー

【執筆状況】　連載中

【形式】　長編

【読んだ話数】　「第5話　これが現実」まで

https://kakuyomu.jp/works/16816700428703928422

　ペストという言葉を聞くと黒死病を思い浮かべますが、この作品での「ペスト」は突然変異で生まれた凶悪な生物を示します。見た目は人と変わりませんが、高い再生能力を自然を操る力を持つようです。

　このペストに脅かされる社会がこの物語の舞台になります。

　主人公は家族をペストに殺されており、ペストを憎んでいます。しかし主人公はそんな憎むべきペストになってしまうのです。

　一万字ですと主人公がペストになり、謎の組織に保護され、ペストが全員破壊行為を行っているわけではないと知るところまでです。むしろペストが悪とする社会においてペストの立ち位置は非常に悪く、ペストだと分かると問答無用で殺されてしまいます。

　どうやら情報規制も行われているらしく、主人公が見てきた世界と現実は大きく違うようです。

　大きな事件に巻き込まれ、それまで見てきた世界が事実とは異なると知っていく展開の物語は多いですが、この作品の特徴は主人公がペストに対して強い憎しみを抱いていることです。ペストが全員悪い人たちではないと知った主人公が今後どういう行動をとっていくのか、自分がペストになってしまったという現実を受け入れられるのかが気になるところです。

　そしてあらすじに書かれている「人類を滅ぼすか、ペストを滅ぼすか」という言葉。ものすごく重い選択です。この選択が主人公の身に降りかかってくると考えるとシリアスな展開が予想されます。

　スローライフやチートなどストレスフリーで読める作品が流行っていますが、シリアスが大好物な方もたくさんいるてしょう。そういった作風が好きな方、読んでみてはいかがでしょうか。

　企画に参加していただきありがとうございます。