魔女の弁護はお任せください タイダ メル様
【タイトル】 魔女の弁護はお任せください
【作者】 タイダ メル
【ジャンル】 異世界ファンタジー
【執筆状況】 連載中
【形式】 長編
【読んだ話数】 「第3話 魔女裁判開廷」まで
https://kakuyomu.jp/works/16817330668260906426
異世界転生する流れは様々です。多いのは事故死でしょうが、今作の主人公の場合だいぶ事情が重い。異世界転生して幸せになってくれと祈ってしまうくらいには重いです。
今作主人公、天草まりあちゃんは両親とは似つかない赤い髪を持って生まれてきます。それに目をつけた宗教団体が、まりあちゃんを教祖として祭り上げ、両親もそれに従うように。
ただ赤い髪で生まれただけの普通の人間なのに教祖として扱われる日々。高校卒業後は教祖となるのだと言われ、怒ったまりあちゃんですが、それに対する両親の返答は火あぶりでした。
こうして高校生にして人生を終えたまりあちゃんに待っていたのは異世界転生。誰かを助けてみたい。そんな気持ちからまりあちゃんは新たな世界で生きることを決めます。
冒頭でも書きましたが、幸せになってほしいと切実に応援したくなる背景をもつ主人公です。それに加えて作品の特徴として宗教色の強さがあげられます。主人公の名前も「まりあ」ですし、異世界転生でよく登場する神は女神ですが、今作は蛇。しかもまりあちゃんに食べさせるのはリンゴ。まりあちゃんが転生して真っ先に現れる場所は教会と、一貫しています。
この一貫性、私からするとかなり好感度高いです。なぜならこの作品においてまりあちゃんの生い立ちはただ悲惨な目に合わせたわけではなく、今後の物語の展開において必要なものであると分かるからです。
意味もなく主人公が酷い目にあっている作品、私は読んでいてストレスたまるタイプです。後々の展開に必要だなと感じられる構成になっていれば読めますが、これ本当に主人公救われる?バッドエンドならない?って不安にさいなまれながら読み進めるのはしんどいので、今作のように辛い環境で生きてきた主人公が異世界で新たな人生を歩む話です!と希望を感じられる構成にしてもらえると安心して読めます。作者様ありがとうございます。
異世界転生ものって人気だからこそ様々な作品があり、作品数が多いからこそ個性を出すのが難しくなってきている印象があります。執筆に時間をあてる作者よりも読者の方が読んでいる作品数が多いこともあり、作者が奇抜だと思っていても読者からすればどっかで見たことある設定だなで終わってしまうことも増えているのではないでしょうか。
私は趣味で読書するときは異世界転生系ってほとんど読みません。長文タイトルってだけで避けがちです。もちろん異世界転生系、長文タイトルに私好みのお話もあると思いますが、数が多すぎてその中から好みのものを探すのが面倒なのです。
その点この作品は個性がハッキリしているので魔女裁判、宗教という要素にびびっときた方は興味を引かれるのではないでしょうか。タイトルの「魔女の弁護はお任せください」とキャッチコピーの「ミステリー」という単語からも好きな層を狙い撃ちしている感じがします。
私は魔女裁判、ミステリーという要素刺さりました。
一万字だとまりあちゃんが異世界転生したばかり。せっかく転生したのに、さっそく現地の人に疑いをかけられているのもリアルです。実際、異世界から服装も常識も違う人間が突然現れたら不審者扱いされますよね。この状況からどうやって異世界を生き抜いていくのか、とても気になります。
あらすじに書いてある「リリス」という男性もまだ登場していませんし、気になった方は一緒に続き読んでみましょう。
企画に参加いただきありがとうございました!
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