一万字読書 カクヨムコン9版

歴史・時代・伝奇

一蓮托生～蓮華の下で結ばれて～ 大田康湖様

【タイトル】　一蓮托生～蓮華の下で結ばれて～

【作者】　大田康湖

【ジャンル】　歴史・時代・伝奇

【執筆状況】　連載中

【形式】　長編

【読んだ話数】　「第6話　素晴らしき月曜日」まで

https://kakuyomu.jp/works/16817330663745590547

　舞台は昭和２２年、東京。戦争の影響が色濃い中、家族を失い弟を養うために働く２１歳の女性、かつらが物語の主人公です。

　現代ではない時代を取り扱った作品はその時代の資料を集めから始まる印象があり、書くのが難しいジャンルだと感じています。詳しくなくても読んでいるとなんとなく、この作者は知識を自分のものにしているんだなと分かる時があります。その時代の暮らしや、その時代に存在する物、文化などを当然のものとして受け入れているので、描写がとても自然で、その場に自分もいるような気持ちになるのです。

　この作品もそういう作品だなと思いました。生まれていない時代に生きているような気持ちになれるのは読書の面白い所だと思うので、そうした体験をさせてくれる作品を書く方の存在は本当に有り難いと思います。

　一万字ですとお話としては準備段階です。かつらがどういう環境でどのように生きているのかが描写され、かつらが住んでいる一体が地上げ屋に買い取られ、立ち退きを強要されるかもしれないという不穏な話が出たところまでです。

　タイトルは一蓮托生。きっと登場人物たちが協力して地上げ屋から土地を守るのだろうと予測できますが、今のところは形成不利にみえるのでどうやってこの危機を乗り越えるのだろうと興味がわくストーリーです。

　昭和という時代を楽しむのも良し、その時代を生きる人々の人間模様を楽しむもよし。

　異世界ものが主流のWEB小説界隈ではなかなか出会えない題材、雰囲気の作品だと思いますので、読んでみてはいかがでしょうか。

　企画に参加いただきありがとうございます。