応援コメント

旧跡のマクスウェル」への応援コメント

  •  作者の気になる作品を追ううちに、それが線となる楽しみを味わっています。同じ年の七月に書いた作品と比べても、筆力が数段に跳ね上がっており、成長とは素敵で恐ろしいものだと感じました。
     もちろん文章力も上がっていますが、それよりも読者への意識が鋭くなっているように思います。遺跡捕りのルスタルトと、機械人形のマクスウェル。どちらのキャラも立っており、ふたりの会話のすべてがヒットを打ってくる。読んでいて、こんなに心地よいことはありません。
     また「廃校した日本」を舞台とした設定を、余すことなく活かす展開も魅力です。氷のように砕けて鋭い透明な板、シルバーの怪しげな半球等、表現されたものが私の生きる現代ではなにかを想像するのも楽しかったです。そして「大都会」と呼ばれた廃れたビル群を一望するシーン。もしそれが東京であれば、彼らがいるのは「高尾山」か「八王子城跡」か、と地図まで想像してしまいます。
     そしてなにより、今作最大の魅力は、終盤の展開にあると思います。ルスタルトが設置した爆弾が起動した瞬間、苦しくも儚い朝日となる。SFの枠組みに収まらない「世代間の負の連鎖」に切り込む終わり方で驚きました。永遠に続いていく人間の滑稽さを、ノスタルジックに表現した、面白い作品でした。ありがとうございました。

    作者からの返信

    お読み下さりありがとうございますm(*_ _)m
    私自身の成長もエンタメの一つとしてご提供できたこと、大変喜ばしく感じております。

    この物語は、ある朝の木漏れ日を眺めていた際に思いついた、ビジュアルから始まった物語でした。
    脳内で溢れたイメージには人間の姿はなく、存在していたのは自分と作中のような荒廃と繁栄を象徴した自然でした。


    恐ろしくも美しい景色、人間社会を想起させるテクノロジーの痕跡、そんな世界で生きるために主人公がつけた結論。

    本作の残酷なSFノスタルジーを味わっていただけましたら幸いです♪

  • 衝撃的で面白かったです。