一関市

 勢いづいて外に出たのは良いが返ってそれは感染者を引き寄せてしまった。


松田「やべぇこいつら声で寄ってくるのか」


大吾「殺るしかねぇ」


 ヴゥヴァア゙ア゙ア゙ア゛ア゛ア゛


 何度聴いても意味不明な叫び声を上げながら感染者はこちら側に突っ込んでくる。


大吾「松田!右だ!」


 ガッガンッ!グチャッ!


松田「うぉお」


 ズッドスッ


 腕を手作りのパイプ武器で殴り付けると簡単に腕が折れもげた。


 追撃を仕掛け頭を殴り付けるとパイプの先に固定したパイプの残骸もとい鋭利な刃物がいとも簡単に頭に突き刺さる。


 同時に感染者は怯み始めた。


大吾「こいつら普通の人間じゃねぇ柔らかい」


 ガンッザッザクッ


 ァア゛ァア゛ア゛ァガァウ゛ァ


松田「普通の人間って…お前知ってるのか?」


 ドンゴンッズッ


大吾「知らないよけど、こう話せるぐらい余裕があるんだ。きっと普通の人間よりも弱い」


 ガスッザス…ドッ


 向かってくる感染者を殴り刺し近づいたら蹴飛ばすか武器を使い押し倒し頭を潰す。


 そうすると動かなくなる。背中を集中して殴り付け脊椎を損傷させることも一つの手だが、頭を潰す方が手っ取り早い。


松田「よし…よしよし……」


 ゴンッゴンッブシュ…


大吾「う、うわぁ…」


 ドッドンッドッ…グショッブチャッ


 最初の一体は確かに抵抗があったし潰した後の気分は良いわけなかった。


 でも何体か潰したり殴り付けるうちに、気持ち悪いとか申し訳ないとかそう言った気持ちは無くなったし、逆に「こいつらは人間じゃない」とか「こいつらが先に襲って来たから」と、自分を正当化する気持ちの方が大きくなった。


大吾「もうさすがに襲って来ないよな」


松田「あぁ…殺った勝ったんだ」


松田「じゃあ行くか…仕方がなかったよし行こう!生存を目指して」


大吾「え?ぇ……あぁ?おk」


 そんな気にしてる場合じゃないどうせこれから何人何十人と殺すんだ。


 クヨクヨしてたら死ぬ。


 あいつら《感染者》の仲間になっていずれくる自衛軍に射殺される。


(それだけは嫌だ)そういう気持ちが気分を楽にし強く引き締めた。


 歩いて直ぐに、大きく開けた道路に出た。


 近くには、1ヶ月前ぐらいに買い物に行ったホームセンターがある。


 綺麗だったホームセンターも今はもうそんな面影も無く感染者か生存者によってかは分からないが、入口や窓が割られ壊されめちゃくちゃになっていた。


 そして何より酷い有様のは道路の方だ。


 車が大量に放棄されていたり、近くの店や電柱に突っ込んでいたり、中には他の車に突っ込んでいて車の下からは血痕が薄らと見えた。


 まるで地獄だ。


大吾「松田、あれ」


松田「うわ…フロントガラスが人が…」


 道路を前に前にと進む度に人が投げ出され頭から中身が出てたり、首が180度曲がってる遺体が見える。


 特にあそこの電柱に突っ込んでる車、突っ込んでる先から血痕が出てるけど…考えたくねぇ。


松田「感染してない遺体は感染者にならないんだな」


大吾「こんな地獄絵図見た感想がそれって…夢に出てきそうだよ……」


 ヴゥ…ァ


松田「近くにいるな」


大吾「やば…どこどこ」


 ドンドンドン


 右からだ…しかも一人じゃない沢山何かに閉じ込められた大群がもがき出ようと──。


大吾「松田…あれ…」


松田「…!?」


 大吾が右を指先逃げの体制に入る。俺も右を見ると放棄された車の中や下から大量の感染者が這い出ようとドアや車をどついていた。


 目線は俺達に合わせたままで。


松田「逃げ…逃げよう!」


大吾「おぅ!」


 ゥヴゥゥドッ!


 プゥゥゥゥゥプゥゥウウウウウ。


 感染者のどれかがハンドルを殴りつけたのかクラクションが大音量で鳴り響いた。


松田「まだついてる車あったのかよぉぉぉ」


大吾「うわぁぁああ」


 そこからは無我夢中で走った。死ぬ死んじゃう‪、息が苦しいでもそれよりも死ぬのが怖いあいつらになったらどうなるんだ。ひたすら気分が悪いのか?分からないだから嫌だ。


 ハァハァ…ハァ…ゲホッゲホ…ハァ


 ヴァア゛ァ゛アア゛ァヴゥァ゛ヴァ゛ァァ


 後ろを見るとまだ感染者の大群が追ってくる。


 走る。道路を塞ぐ車を乗り越え走る。何かの残骸を潜り抜け走る。とにかく走る。


 走る……疲れた……走……無理だ体力が無い


 ヴゥア゛ァヴゥア゛ァ


 近くをふと見るコンビニだ。駐車場があり離れているが、コンビニがある隠れよう。そうだそうしよう。


 火事場の馬鹿力を出すかのように最後の力を振り絞るかのように、とにかく周りが見えなくなるぐらい全速力で走る。


 コンビニの自動ドアを強引に開けると、トイレに駆け込み鍵をかけ引き篭った。


 ドクドクドクドク……

 心臓は激しく鼓動を鳴らし続けている。


 油断していた。感染者の大群とこんなに早く鉢合わせするなんて思ってもなかった。


松田「ヤバいどうする大──」


 居ない逃げてる時にはぐれたのか無我夢中に走りすぎた。感染者の声は聞こえなくなった。


 大吾の方に行ってしまったのでは無いか?。


 血の気が引くような感じがする。早速友人を一人失ったのかも知れない。


 幸いしっかりと握っていた為、武器はある。


松田「頼む近くに居てくれよ…」


 トイレのドアを開け周りを確認すると、コンビニを出る。


 感染者はもう居ない、まずは近くのスモバーガ一関店かハードバング探そう。


 俺は、武器を握ると辺りの探索を始めた。


───────


同時刻|こめちゃん薬局一関店


 はぐれた。無我夢中で走ってるうちに松田が居なくなっていた。


 足の速さには自信があるつもりだったが、松田はどうか分からない。


大吾「もしかして…喰われた……」


 いやいやまだだ、まだ決めつけては行けない。


大吾「とにかく探さねぇとやべぇ」


 薬局を出て周りを見回す。感染者からは撒いたようだ。


 大吾も松田を探し探索を始めた。





あとがき

──────

今更だと思いますが、この作品に出てくる店やサービスの名前は少し変えております。

理由は特に無くなんかその方が楽しかったからです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る