変化
ガサ…ガサ
家族の誰かが買ってきたのでだろう大量の菓子類やインスタント類を漁り部屋に持ち帰る。
「よぉーし今日も徹夜するか。」
菓子類の中でも一番のお気に入りであるポテトチップスを机に置き、残りはインスタント類と一緒にタンスの隠し場所に入れる。
タンスの中には大量の菓子類にインスタント類、更には飲料水や缶詰まで入っている。
これらは、まだ小学生だった頃の俺が中東諸国の戦争による戦火がもしも日本にも来たらと、意味の無い心配してタンスの中にお菓子や缶詰を入れ始めたのがきっかけだった。
しかし今では、俺ご用達の軽食入れになっている。
既にネットでは世界的なテロのことで騒ぎになっている。沢山の憶測や現地での情報が飛び交い、当たり前だがデマや陰謀論、やや偏ってる意見なども飛び交っていた。
日本で起きたテロを含め、これで被害に遭った人の数は100人以上を軽く超えた。
更に記事やネットを見ていくと、テロが起きた昨夜、ポーランドでは中東から来た飛行機が墜落する事故があったらしく。
今から2時間前、救助に来た捜索隊は生存者を見つけたがパニックになっていたのか、捜索隊に襲いかかり一人が手を噛まれ軽傷らしい。
その同日、中国では観光客が女性に襲いかかり女性が腕の一部を噛みちぎられる事件が起こっていた。
この事故、事件は全て、被害者が噛まれたという共通点がある。バイオテロと関係あった場合それは─────。
「バイオハザードみたいだなぁ……いや……う〜ん…マジだったら怖いな。」
ボリ……ボリ…。
ポテチを食べながら様々な記事を読んだり、調べたりしたが、次第に飽き始め調べるの辞めてゲームを立ち上げる。
カチカチャカチ
気づけば夜になっていた。
現在時刻19時半頃、12時間ほどぶっとうしでゲームをしていたことになり自分でも苦笑いが出てしまう。
「うわ〜マジかもう?…学校に行かなくなってからすげー時間が早く感じるな」
下からはバラエティでも見ているのだろうか?母親と妹の笑い声が聞こえる。
ドアを開ければ目の前には、夕飯と思われるよくスーパーで売ってる細長いパン確かに好きなパンだがこれが夕飯とは、まぁ心当たりがめちゃくちゃありなんとも言えない。
軽くひと袋を平らげ一リットルボトルのお茶をがぶ飲みする。
そして、ニュースアプリを開くとアメリカの病院でどうやら医師や看護師、更には患者達による大規模なデモがあった事がニュースに出ていた。
デモに参加していた人々は暴徒と化し病院内部や駐車場に屯していて近づいた者に対し無差別に襲いかかっているらしい。
「アメリカもテロが起きたばかりで大変だな」
ニュースアプリを閉じると、ズラリと並ぶ大量のゲームアプリの中に一件の赤い通知が見える。
GINE、もう何ヶ月も使ってない最後に使ったのは春休みの時か?。
中学生の思い出を思い出しながら開くと、別の高校に行きそのまま疎遠になった友人が
連絡をくれていた。
***********
<ダイゴ
〈やっほー松田元気か〉
〈おぉ久しぶり〉
〈別々の高校になって
もう半年か早いな〉
〈それなマジで 早
い〉
〈そういえばニュース
見たか?結構ヤバいぞ〉
〈マジ?見てない
ちょっと見てくる〉
***********。
半年ぶりに話したけどあいつは変わってなかった〈ニュースがヤバい〉、そんな事より久々に友人から連絡が来たことに嬉しさがあった。
佐々木大梧、中学一年の頃にバドミントン部で、出会い某海賊漫画の話で意気投合し仲良くなった。
第二希望の高校が大梧と同じだったんだけどまさか落ちるとは、そしてそのまま高校が別々になった後、関係も疎遠になり次第に
GINEでの連絡も無くなった。
そして今に至る。
さーてニュースがヤバいってなんだろなぁ〜
早速、ニュースアプリを開きニュースを見る。
【東京都内の病院で、医者が無差別に襲いかる一体病院内でなにが。】
【東京都内の病院で、患者が看護師や周囲の患者に襲いかかる傷害事件が発生。現場は唖然とし───】
「うわ…なんか病院での傷害事件増えすぎだろ。皆んなテロでパニックになってるのか」
*********
<ダイゴ
〈見たか?恐ろしいよな〉
〈皆、パニックにな
ってんじゃない?〉
〈いやパニックに
なり過ぎだろw〉
〈まぁ傷害事件、連続
2件だもんな〉
〈知ってるか?今朝
にもあって、しかも
犯人は逃走中や〉
〈何それ知らない…怖〉
*********。
今朝のも合わせてこれで3件なんだろ…しかも3件とも病院って、テロの被害にあった人が、まだパニックを起こしているのか?。
確かにアメリカでも病院で暴動が起きていたし、そうとしか考えられないな。
「ネットは今お祭り騒ぎだなぁこんなにパニックになるなんて終末の始まりじゃあるまいし」
裕也は一笑した後、スマホを閉じ目を瞑る。
目を開けると、時刻は、夜中な2時を回っていた。
「やっべ……寝てた」
部屋を出ると、一階から少し光が漏れていた。
「あれ……こんな時間なのに一階の電気ついてる、なんでだ?………まぁいいか…俺のせいにされる前に消しとこ」
タッ…タッ…タッ…タッタッタンッ
階段で一階に降り、リビングに行くとそこには、母親がしゃがみこんでいた。
何かが、おかしいことは一目で分かることだった。
しかし裕也は、近づく。
「母さん?えっ何してんの?もう2時だけど」
「ヴヴヴ……」
母親は、苦しそうな呻き声をあげしゃがみこんでいる。
「お、おい大丈夫……?」
トン───。
肩に手を置いたその瞬間。
「ヴヴァアァアァアァァァァア゙ァ゙!!ア゙ア゙ア゙!!!」
ガッ──ドシャッ!!──。
聞いたことのない呻き声のような奇声をあげ裕也に掴みかかり押し倒そうとしてくる。
「ヒッ……な、なんなんだよ離せッ!辞めろ!」
母親の顔は、青白く具合が悪そうで目も血走っている。顔を掻きむしったのか、顔中に引っ掻き傷がある。
「辞めろ……嫌だ……顔を近づけ───嫌だ辞めろォォォ!!?」
───パチッ。
「はぁ!?……へぇ?はぁはぁ…夢…か」
ドォン!。
「うっさいんじゃ!朝からよぉ何時だと思ってんだ全く」
どうやら夢だったようだ。母さんは鬼のような形相をしてたけど、特に問題なさそうだ。
しかしあんな悪夢を見たのは、久しぶりだ。恐らくテロや傷害事件、ニュースなどで考え込んだせいだろう。
時刻は、午前6時になっていた。
少し安堵しながらスマホを開く、すると一通の通知が裕也の目に入る。
Gofoo! 10時間前
[アメリカニューヨーク州内の病院で、起きたデモの逮捕者から未知のウイルスと思われるものが発生。WHOに調査を依頼]
ニュースを開こうとするとタイミング良く新しい通知が来る。
ディロリン
Gofoo! たった今
[WHOが声明を発表。
今日にも会見を開くとし───]
「まじかよ」
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