第3話 対策会議 裏
俺が対策は無いと言った事で全員が絶句してた所から話は始まる
「そうか、表に出た以上もう勝ちの目は無いか……」
「残念ですが」
するとここまで俺達の会話を無言で聞いていた秘書の猿渡さんが
「お待ち下さい、まだ証拠も何も出ていない内から諦めるのはいかがなものでしょうか? それに先生が受け取っていた金額もそれほど多くはありませんし、それにいずれは返」
「猿渡!」
信康さんが遮るように猿渡さんをとどめる。
「額の問題では無いのだよ、あの時金角さんを非難した自分が汚職に関わっていたとなれば国民は許すまい」
信康さんがむしろ穏やかな表情で猿渡さんを諭す、だがちょっと諦めが良すぎはしませんかね?
「ちょっとお待ちを、確かにここから醜く足掻いてでも勝つという事は出来ませんが、ちょっと諦めが早く無いですか?」
「どう言うことかね?」
「確かに信康さんの政治生命は断たれたかもしれませんが、負け方次第で反撃の手はあると考えます」
すると諦めかけていたであろう全員が驚いたように表をあげる
「どう言う事、大輔君?」
顔をあげた泰子さんが睨みつけるように俺を急かす、いやマジでこえ〜っす
「落ち着きなさい泰子、それでどう言う事かね大輔君?」
「はい、この後の記者会見でですが、信康さんには洗いざらいぶち撒けた上で議員辞職を宣言して貰い自らの手で幕引きをお願いします」
俺の答えを聞いた全員が唖然として絶句してしまう
「そ、それは……」
「どう言う事よ大輔君、それじゃ完璧な負け戦じゃないの!」
「まあまあ落ち着いて泰子さん、それでは逆にお聞きしますがこのような状況で7月の参院選で信康さんが再選出来ると思いますか?」
「それは……」
口籠る泰子さんに対し
「無理だろうな、例え答えを濁して曖昧にして先延ばしにした所で再選は望めないだろう」
信康さんは無理だと断言する
「そうでしょうね、その辺もスキャンダルをリークした人間の狙い何でしょうね、ならば相手が想定もしない負け戦を演じる事でイニシアチブをこちら側に取り戻しましょう」
俺の余りの言い草に再度全員絶句してしまう
「ち、ちょっと待ってくれ仮に上手く負け戦を演じたとしてだ、どうイニシアチブを取り戻すと言うのかね?」
全員が絶賛混乱中の中、辛うじて信康さんが問いかけてきたので答える事にする
「これは一種の賭けになるのですが、泰子さん、信康さんの代わりに参議院選挙出てみませんか?」
「「「「「はっ!?」」」」」
ここから巻き返しを測る為にも、2年越しのマドンナ旋風でも再度巻き起こして見ましょうかね。
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