第61話 政権中枢は魔界なり
大輔です、はあ、1月も経たずにまた本家へお邪魔する事になろうとは……
実は泰子さんから緊急の連絡が有り、幾分要領を得ないのだが助けてくれとSOSの連絡があったので俺と美和子さんで行く事になった訳だが
「で、どういう事なの姉さん、信康さんが自室に閉じ籠って出てこないって?」
「私にもわからないのよ、あの日、本家に帰って来た後自室から殆ど出歩かずに書斎に籠ったまま、秘書の猿渡からも早く東京に呼び戻して欲しいと連絡があったのだけど、今は行く気は無いと断ってるらしいの、国会には病気療養中という事で応対してるけどそう長くは持たないわ」
なら今はまだ信康さんは本家にいるって事か?
多分だけど例の東京佐側の件何だろうな、確か金角さんが盟友だったんだっけか?
政治案件は正直興味がなかったんだよな〜、あの当時本家とはあの馬鹿男の所為で折り合いが悪かったし、確かいつの間にか政治家を辞めたって話を聞いた位か、今回の佐側の件が関わってるとしたら話を聞いた方が良いのかもな
とりあえず泰子さんと美和子さんが話し合ってる内に裏を取ってみるか、俺は徐ろに携帯を取り出してある番号に掛ける
「もしもし、康二兄?」
「珍しいなお前から直接電話なんて?」
「今大丈夫?」
「そうだな山場は超えたから大丈夫だ」
「それって例の佐側の件でしょ?」
「……どっから聞いたか知らないが詳しい事は話せないぞ」
「それが今本家に来てるんだけど、信康さんが天の岩戸状態でさ、家に閉じこもってる訳よ」
「お前……現在ブン屋の俺に特大のネタをぶち込んでくるんじゃ無いよ、しかもネタ元が身内って」
「まあその辺は内緒にしといてよ、でさ、例の渡辺ってブローカー紛いの奴が政界と絡んでるのは間違い無いんでしょ?」
「お前……俺にも守秘義務って物があってだな〜」
「あ〜その返答でわかったよ、なら当時の竹上派絡みって事だよね、現、慶政会絡みなら槍玉になりそうなのは金角さんあたりかな、成る程そりゃあ信康さんも怒るわな〜」
「お前……いやもう良い切るぞ!」
いきなり切られちゃったよ! まあいいや、大体内情は察せたし、俺は深刻に話し合ってる2人の元に
「でどうすれば良いのか考えて欲しいのよ?」
「そんな事言われても、私にもどうすれば良いのかなんて分からないわよ」
「あ〜すいません泰子さん、先に謝っておきます」
「「?!」」
俺は徐ろに書斎に向かうとノックをして中に突入する
「失礼します!」
「な! 大輔君!」
「信康さん、貴方が慶政会執行部に腹を立てるのはよくわかりますが家族に不安を与えるのは良くないですよ」
いきなり核心に触れた俺のセリフに口を開けっぱなしのまま唖然とした信康さんがそこには居た
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