第34話 皐月賞前最後の準備
本日は栗東トレセンにお邪魔しております、皐月賞に向けたカザマテイオーの公開調教を見学の為です。
時間の都合上、今日は自分一人での見学になりましたが、小次郎と真理子さんの2人からはくれぐれもテイオーの状態をよろしくと言われております。
「どうも大谷さん、テイオーの調子はどうですか?」
「問題ありません、これなら皐月賞に問題なく挑めそうです」
良かった、前哨戦を使わず直接皐月賞へのローテーションに一部から批判が上がってたからな〜
「ローテーション関係で迷惑をかけて申し訳なかったです、色々言われたんじゃないですか?」
もう少し未来だと目標レースに直接挑むのも珍しくなくなるんだがこの時代ではな〜、坂路も控えてもらってるし色々大変だったろう
「まあ周りからは色々言われましたが、テイオーの脚元を考えてのプランですからね、それにあの時言われた様に努力とやり方でどうにか出来る問題です、まあ大変だったのは否定しませんが」
苦笑する大谷さんに申し訳ないと思いつつ
「すいません、でもお陰で特に問題もなくテイオーを此処まで連れてくる事が出来ました、本当に感謝しかありませんよ!」
そうやって2人で会話しつつテイオーの出番を待つ、ライバル関係の調教の説明を受けつつようやくテイオーの調教が始まります。
今日は単走軽めの調教との事です、いつもの飛びの大きいフォルムで軽めながらも颯爽と駆け抜けていくテイオー、うん調子は良さそうだ
ストップウオッチでタイムを見ていた大谷さんも満足の出来だった模様、ただ周りから
「皐月賞直ローテーで軽めの調教?」
「こりゃあテイオーは無いな、ダービー狙いか?」
やはり色々言われてるな
「やはり周りからは色々言われてるみたいですね、どうですかテイオーは?」
「完璧ですね、この後は様子を見ながら夕方までスクリーニングに勤めます」
引き運動にそこまで時間かけるんですね、これは委託料上げないといかんわ
「すいません、お手数ですがよろしくお願いします」
「お任せ下さい、テイオーの様な馬を預けて貰えるんです、苦になんてなりませんよ!」
よし委託料倍にしよう、こうしてテイオーの公開調教は終わった。
午後から授業に出た俺は、夕方学校から帰ると小次郎と真理子さんがいて2人から質問攻めに、テイオーの調教は順調だと答えるもローテーションの問題だの色々質問されて参ったよ、納得させるまで大変だった
「じゃあテイオーちゃんは皐月賞問題ないんですね?」
「良かった〜」
「ふ〜、そういえばなんで真理子さん来てるの?」
「テイオーの事を聞きたかったのもありますが、2人で新しい応援幕の準備をしていましたので」
「すげ〜カッコいいのが出来たんだぜ、本番まで楽しみに待っててよ」
この2人はまた新しい応援幕を準備したのか、楽しんでる様でなりよりだよ、当日は初めて家族全員で行く事になるので楽しみだ。
そして1991年4月14日中山競馬場、三冠レースの初戦皐月賞の幕が上がる
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