第二部 第2章 新たなる出会い
第13話 駿馬との出会い
暦も六月となり、初夏の候皆様如何お過ごしでしょうか大輔です。
私は今ネクスト事務所にて、美和子さん含めたメンバーと会議の最中です
「約半年がたったけどやはり日経は、大輔君の予想通り去年末で頭打ちね」
「うん関西圏の土地の買収に切り替えた事が功を奏してるね、それでも後1年程度で土地バブルも終焉が見えてくると思う、そこからは資金は海外に流出するだろうね」
「そうね、そろそろ顧客にも伝えないと、感の良い人達はもう動き出す頃よ」
美香子さんも話に加わってくる
「ネクストのスタッフでも、感の良い子は気にしてますから、私もそろそろ動き出すべきと考えます」
「そうだね、今年度末までに資産を土地以外の現物資産や国債や海外投資に切り替えていきましょう」
全員の納得を得た所でティータイムにしますか。
「と、所で美和子さんや、その……れ、例のあの人との交際はどうなってるのかね?」
話を聞いてる周りがニヤニヤしながら見守る中、美和子さんも微笑みながら
「そうね、上手く行ってると思うわよ」
「そ、そうですか、大変結構」
うーむ、自宅では中々そんな雰囲気を感じさせないからここで聞いてみたんだけど、そうか順調なのか。
晴彦さんが弁護士となり、誠司達も新たな自宅に住む様になったので、最近は学校で誠司から話を聞くしかないからな
「そういえば大輔君、斉藤さんから連絡が来たわよ、テイオーは順調で今年中にデビュー出来そうだって」
「来たか! これは見に行くしかないな!」
俺は去年幼駒だった頃のテイオー達との出会いを思い出すのだった
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「え、顧客さんの付き合いで北海道へサラブレッドの幼駒を見に行かないか? と誘われたの美和子さん」
「そうなのよね、大口のお客様で断るのもなんだし、小次郎君も連れて行ってみない?」
「行く行く連れてって!」
もしその顧客が美和子さんに変なアプローチしようにも子連れじゃ手も出せないだろうし、ここはついて行って邪魔してやるべし!
そうして新緑が芽生える頃、俺達は北海道新冠へ旅立ったのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「ここが永浜牧場だよ」
「おお凄い、マジモンの牧場じゃん」
「兄貴めっちゃ広いとこだね〜」
美和子さんが俺達を見てクスクス笑ってるが、だって初めての牧場だからね、そりゃあテンションも上がるってもんです
牧場長のとこで挨拶を交わした俺達は、許可を得てそのまま見学へ行く事になった
「見ろ小次郎、子馬がいるぞ!」
「本当だ、めちゃくちゃ可愛い!」
「馬は基本的に臆病な性質だから大きい声で騒がないでね」
「「はい、わかりました!」」
俺が懸命に子馬に近づこうとするも皆逃げ出すなか、ふと後ろを見るといつの間にか小次郎が一頭の仔馬と仲良くなっていた
その一頭が後に競馬界を震撼させるテイオーとの出会いであった
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