第7話 第365回 シックル投資会議②

「有難う、それじゃあ会議を始めましょう!」


 何故か花蓮先輩の挨拶で会議が本格的に始まりました、解せぬ。


「でどうするの? 司会進行は?」


 不味い、これ以上先輩にペースを握られる訳にはいかん


「え、え〜では部長の私が進めさせて頂きます、まず昨年の皆の投資実績を聞かせて貰いましょう」


「俺は(株)ネクストの株を3株程購入した」


「僕も同銘柄を同じく2株購入したよ」


「私も2株購入したわ」


 これは俺がネクスト株をお勧めしておいたので皆が購入した形だ


「へ〜、ネクストって暴力団関係相手一歩も引かずニュースになったり、海外の企業と提携したりして一部界隈で有名になったとこよね?」


「そうですね、来年一部上場を目指すとして注目されている会社ですね!」


 我がネクスト社はMS社との提携以降株価も順調に上昇を続けていて、早ければ来年一部上場への基準を満たすとこまで来ているのだ。


「俺達が昨年購入した時が12万2千円で、今の株価が17万4500円だから1株辺り5万2500円の資産増だね、今年の配当もあったし、いい小遣いになったよ」


 他のメンバーもホクホク顔でうんうん頷いている。


「貴方達凄いのね、でも高校生から投資って可能なの?」


「普通は無理ですけど、代理人の口座を窓口にして投資を行ってる形となってますね」


「ふむ……、それって私も利用する事は可能なの?」


「えっと、それは〜……」


 健太が俺の方をチラチラ見て答えづらそうにする、仕方ね〜な〜


「はい利用する事は可能ですよ、申し遅れました、私(株)ネクスト投資部門アドバイザー担当(仮)の風間大輔と申します。」


 名刺を提示すると先輩が目を丸々と開けて驚いてる。


「貴方、アルバイトしてるの?」


「いえ、一銭も頂いてないのでアルバイトではありませんよ、法的にも色々問題ですしね、そうですね、言うなれば家業のお手伝いでしょうか?」


「えっとそれってどういう事なの?」


「現ネクストの代表取締役の風間美和子氏が私の母になります、なので社会勉強として仮の役職を貰って勉強中という訳でして、その中で代理人業務という形で皆の資産運用を手伝ってるって形ですね」


 先輩が状況を飲み込んで呆れたように首を振った後


「全く、想像以上に貴方ってとんでもないのね……」


「恐縮です、まあ先輩がご利用したいのであれば相談に乗りますよ」


「そうね、いずれ相談させて貰う事にするわ、有難う。」


 そうして和やかな雰囲気で会議は終わろうとしたのだが、誠司が爆弾を投げる


「そういえば大輔の資産って今どうなってるの?」


「ん、そうだな〜、これは成人後になるけど、ネクストの株式の10%とMS社の株式の5%が贈与されるのと、手持ちの資産と資金を含めると……現時点で30億を超えるってとこかな?」


「「「「ぶーーーーーーーー?!」」」」


 全員が一斉に吹く


「まただよ、とんでもなく増えてる」


「ちょっと待ってよ高校生の持つ資産の額じゃないよ」


「大輔君、貴方の資産一体どうなってるの?」


「えっ、それって本当の事なの?」


 全員が大騒ぎする中、何故か俺は説明に追われる事に、こうして第365回シックル投資会議は幕を閉じたのであった。

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