第4話 新世代の乱③
目の前で3人のシャチホコが何やら喚いております
「早くこれを外せ〜」 「「そうだ、そうだ」」
「いや〜この状況でまだ悪態をつけるとは、いい根性してますね〜」
俺が体育座りで顔を覗き込みニヤリと冷笑を浮かべると、流石に不味いと思った取り巻きの2人は青い顔を浮かべるも、北條は逆に睨み返し
「いいぜ、早くやれよ! ただ覚えておけよ、ここでどんだけボコられようが必ず、必ずだお前を付け狙ってお前をぶっ殺してやるからな!」
お〜、流石現学校の裏のトップいい根性してる、さてどうやって心をへし折ってやろうかな?
俺が無言で少々思考の海に没入していると、ビビってるとでも思ったのか北條が決定的な一言を口にする
「お前だけじゃね〜、お前の家族もだ、付け狙ってやってやるよ夜道には気をつけなタダで済むと思うなよ!」
へ〜……
「ちょっとタンマ、大輔とりあえず落ち着こう、な?」
「そ、そうだよ、先輩も口が滑っただけだって、本気じゃない、そ、そうですよね先輩?」
真っ青になった健太と誠司の2人が俺を宥めようとする、2人の様子を見て北條は少し不審に思ったようだが
「舐めんな、ぜって〜やってやるからな覚悟しとけよ!」
絶望した健太と誠司の2人が頭を抱える
俺はこれ以上ない笑顔で北條に向かって言葉をかける
「流石、3年で番を張ってただけありますね先輩、ここは俺も本気を出す事にしましょう!」
「悪いが健太、誠司ここで見張っててくれ、1時間位で戻るから」
引き止めようとする2人を振り切って俺は走り出す、近くの公衆電話に飛びつき俺はとある人物を呼び出す事にした
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「すみませんマサさん、お呼び出ししてしまい」
「あ〜坊ん、気にすんな、それと雅也なマ・サ・ヤ、ザ・チンピラみたいな名前は止めてくれ」
1時間後、俺が連れてきたのが完全にそれ系の人物だったので北條先輩と2人の子分が真っ青な顔になる、俺は説明してあげる事にする
「えっとこちらの方は神真会……じゃなかった、(有)神真工業、若頭……じゃなかった専務取締役の藤木雅也さんだ」
例の竜星会騒動で本来ジジイが手打ちを頼む予定だったのが神真会の会長さんだった、ジジイのマブダチだとの事、あの後のアフターケアの流れで会長と知り合い、まああれこれ色々ありまして表だっては言えない仲の良い知り合いとなった訳ですよ
古い真面目な任侠道を守ってた為、時代の流れで落ちぶれてたのですが、あの後潰れた二つの組を吸収し今ではここら辺の顔役にまで成り上がった神真会、今回そのフロント企業(有)神真工業代表のマサさんをお呼び出ししました
「いやその前に坊ん、どういう訳か説明してくんね〜か?」
俺はこれ迄の流れをマサさんに説明する
「あ〜坊ん、工事現場に連れて行くのはいいけど、どうするつもりか聞いていいか?」
話を聞いてる最中、北條先輩も仲間の2人も完全にビビってしまいガタガタ震え始める
「当然コンクリもドラム缶も準備万端ですよね? ◯◯海で魚の餌になって貰うつもりですが何か?」
「雅也さん止めてください」「僕からもお願いします」
健太と誠司が必死になって説得する、後ろの3人はもう歯の根も噛み合わないほどガチガチいってる、1人漏らしてねーか?
「坊ん流石にそれは不味いと言うかやめてくれ」
「えっ、だって家族を狙うと言われたんですよ、最初は脅しすかしてだまくらかそうとも思ってましたが、これはもう戦争ですよね、大丈夫です、場所と道具さえ貸して頂ければ自分でやります、お手間はかけさせませんとも」
俺は連中を連れ出す為に近づこうとするが健太と誠司に止められる、雅也さんまで止める側に
「離せー、小次郎と美和子さんの危機だぞ止めるな〜」
「すいません勘弁して下さい、脅しのつもりだったんです、本気で家族を狙う気ないです、許して下さい」
完全に涙目の北條先輩が土下座して謝り、俺が落ち着きを取り戻すまで現場は大混乱でした
これが後に新世代の乱と呼ばれる事の裏の顛末である
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