第3話 新世代の乱②

「え〜、と言う事で高校生活に当たりまして……」


 校長の駄文を欠伸をしつつ放送室にて聴きながらそろそろいいかと緊急放送を始める


『ピーガーガー……はい全校生徒から金を集めていたのは間違いありません、北條さんの指示で集めてました、去年以前からそういうシステムがあったんです、今年から北條さんが引き継いで、はい、月100円全校生徒から回収して、チクろうとしたり言うこと聞かない生徒は脅したり、実際に袋叩きにして……』


 この緊急放送を受け教師も生徒も大騒ぎである、俺は放送室に誰かが駆け込む前に抜け出した、これで学校側でも事なかれ主義等で事態を揉み消す事もできないだろう


 1人2人の問題を揉み消す事はできても全校生徒教員全員に暴露したんだ学校側も流石に動き出すだろう


 その後一限目の授業は自習となったがクラスの生徒は自習中も大騒ぎである、一部例の騒ぎを見聞きしてた連中が俺を伺ってチラチラ見ていたが知らんぷりである


 その日の内に関係者を集め学校側が事情聴取をおこない、3年の北條先輩とその周辺の生徒が集められまず全員停学処分が確定した、この件の相関図を放送室に置き去りにしたのが役にたったかな?


 まあその中でも北條先輩は主犯格なので停学明け更に重い処分になるのだろう、めでたしめでたしである




 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 まあそうは問屋が卸さないって話で下校中


「風間大輔ーーーー!! よくも、よくもやってくれたな、間違いなく俺は退学処分だ、大学の進学も絶望的だ貴様だけは許さん、ぶっ殺してやる!」


 2人の手下と思われる奴を引き連れた北條の襲撃である


 まあ事件関係者に口止めしても無駄だと思い口止めもしなかったので当然なのだが


 俺は小指で耳を穿りつつ、ゆびにふっと息を吹き馬鹿を見る目で答える


「許すも許さないも、恐喝犯の戯言なんて俺が聞く気があると思ってる訳?」


 俺は外国人がする、両手を横に開きやれやれと首を横に振るジェスチャーで対応する


 顔色がドス黒くなるほど真っ赤になった先輩が無言で追いかけてくるが、俺は踵を返し全力で逃げ出す


「「「待てやコラーーー!」」」


「待てと言われて、そのまま待ってた人っているんですかね?」


 俺は3人をおちょくりながらも更にその差を引き離す


 大体常日頃から横着してた連中と、去年から岡崎夫妻と誠司と共に朝からランニングとかして体力強化してた俺では相手にもならん

そのままぶっ千切る事も出来たのだが追いついて来れる程度に手を抜きつつ円福寺まで誘導する


「ちょっと運動不足気味じゃないですか? タバコとか吸って体力落ちてるんじゃ?」


「う、うるせ〜、マジでとっ捕まえてぶっこうぃぶぁら〜」


「ぐぎゃ〜」 「いっだーー!」


 鳥居に入るとこで3人とも盛大にズッコケる、先回りしてた健太と誠司に頼みあらかじめ鳥居下部にピアノ線を貼ってあったのだ


 そうどうせこの流れになるだろうと、あらかじめ作戦を立ててあった訳だ、速攻でいつもの如く拘束する、両手両足を後ろ手で縛り拘束海老反りスタイルである


 拘束した3人を奥の人目のつかないとこに移動、鳥居のピアノ線も忘れないように回収する


「さてこれでようやく話を聞いてくれる体勢になったな!」


 俺は笑顔で3人に答える

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