第二部 ダイジェスト、なお変更する場合があります
春うららかなこの季節
昼休みに俺は読みもしない恋愛小説を顔に被せ、背もたれに荷重をかけ椅子を二本足の状態でバランスをとりながら足をだらしなく机に乗せた状態で惰眠を貪っていた
「もしもし、図書室でその態勢はどうなの?」
「春眠暁を覚えず、俺は春の寝坊を楽しんでるので邪魔して欲しくはないな〜」
「あら、それは誤用よ、本来の意味は春はぐっすり眠れるものだから、夜が明けたのに気づかず寝過ごしてしまうってのが正しい訳よ勉強不足ね風間大輔君!」
「やれやれ、中々手厳しいなぁ、君は誰だい?」
「顔に本を載せた状態でそのセリフはいかがなものかしら?」
俺は今更ながらその事に気づき、本を机の上に載せて椅子を戻しその子の顔をようやく見つめる事にした
「初めまして風間大輔君、私は桐谷花蓮よ、有名人さん」
これが俺とビブリオフィル桐谷花蓮との初対面であった
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「カザマテイオー先頭、カザマテイオー先頭、菊の舞台で親子2代の三冠達成なる、カザマテイオー1着でゴールイン」
「よっしゃ〜〜!」 「やった〜〜!」
「おめでとう、風間君テイオーがやってくれたな」
「有り難うございます、先生、先生のお陰でこの舞台に立てました」
「よしてくれ、君の助言がなかったら私はこの場にいなかったよ」
「何をおっしゃる、先生の努力の成果ですよ、今後有馬に向け全てお任せします」
「任せてくれ、テイオーの力なら古馬相手でも戦えるとも!」
こうして俺達の史実を超える挑戦は幕を降ろしたのである
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「美和子、大輔君にどう言う教育をしてるの!」
「いいから今は黙ってて姉さん!」
2人が言い争う中俺は伯父さんから目を離さない
「次の選挙で私は勝ち目が無いと言うのだね?」
「はい、確実に負けます、世の中が動いているんです、今回贈賄事件で傷を受けた伯父さんでは勝ち目はありません」
目を閉じた伯父が数刻後溜息を吐き答える
「ならばどうせよと言うのだね?」
「これは一種の賭けである事をご承知下さい、伯父さんには引退して貰い、◯◯◯◯◯に出馬して貰います」
「何だと!」
多分この選挙でこの地盤を守るにはこれしか無い
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