第六十五話 自業自得な決着?
暦の上では12月を迎えた頃、2団体の抗争は案の定激化を迎え警察も身を乗り出す泥沼の状況へ大輔です
「おい、ジジイどういう事だ、抗争が激化しちまったぞ?」
「オタオタするんじゃないわ、民間にまだ被害はでとらんじゃろ?」
くそ、やはりこのジジイある程度の抗争は織り込んでやがるな、だが民間にまで被害が出てしまっては流石にマズイどうするべきか?
「安心せい、そろそろ結末に向け動き出す頃じゃ」
何だ? 何か手があるのか
「どういう事だ?」
「ふむ、そろそろお昼時じゃの、健太TVをつけとくれ」
「わかりました師匠」
流れてきたのはお昼のTV番組、報道陣が組事務所前で報道してる様子
「今回の民間が絡む両団体の抗争事件ですが、竜星会と山西会、両事務所解散との事です、繰り返します、両事務所共に解散です」
俺は報道を聴いてポカーンとしていた、何が起こった?
「爺さん、何しやがった!」
「本当は昔の知り合いに頼んで手打ちにする予定じゃったんじゃがの〜、奴等断りおった熱くなり過ぎたんじゃよ」
「どういうこった?」
「暴力団関連の法律が取り沙汰されるこのご時世に、やり過ぎたのよ、上が動いた親から破門状が出たのよ」
破門?
「奴等にとって破門は首に等しい、もう暴力団としては終わりじゃの」
何とまあ、しかしこれで今回の件は解決って事でいいのかな?
「ちっ、アイツらが熱くなり過ぎなきゃ、もうちょっと遊べたんじゃがの〜」
自分で煽っといてこのジジイが一番タチが悪い気がしてきた……
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
『レジスタンス』事務所
「いいか書類関係は全部破棄しろ、組関係との関わりあるものは全てだ」
くそ〜、どうしてこうなった?
ネクスト乗っ取りに関わってから全てが裏目だ、このままだと会社まで被害がでちまう、一度仕切り直ししないと
そう考えてたら突然
「はいそこまでだ、書類関係はそのままにしろ」
な、ガサ入れだと!
「レジスタンス代表 黒木和成、ネクスト側から正式な訴訟が出ている、またそれとは別に竜星会に関わる案件でこちらとしても用がある、今度は簡単に出られると思うなよ!」
ああ、終わった……
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「ふむ、これで全て終わりじゃの」
「爺さん、どれだけ盗聴器取り付けてたんだよ」
現在レジスタンスの事務所前で盗聴しております
「これで依頼は完遂という事でいいの、大輔!」
「ふ〜、ああ完璧だよ文句のつけようがない、助かったよ先生」
「先生呼びは辞めい、気色悪いわ」
ジジイめ照れてやがるな
「しかし1億か〜、道場の立て直しじゃろ、旅行もええの〜、最新式の風呂とトイレもいいの〜」
「あ〜、ワクワクしてるとこ悪いが、正式な依頼なのでちゃんと税金がさっ引かれるぞ?」
「何じゃと〜」
「4割は税金として差っ引かれるから、良くて6千万ってとこかな?」
世知辛い現実を突きつけた所でプルプルしてたジジイだったが
「詐欺じゃよコレは、普通取っ払いじゃろ〜、詐欺じゃ〜」
「え〜い甘えんな、こっちは上場企業なんだ、無茶言うな」
正直この件で泣き喚くジジイを説得する方が一番大変だったかもしれん
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