　悠子さんの問いに溜息を吐きながら頷く俺に周りが絶句します

　バブル景気については、ブラックフライデーの時に説明してあったので幹部の人達はよく理解してます

「ちょっと待って、今の日本の景気が実態の無いバブル景気って言うの？」

「そうですよ日本の景気は底堅く、製造業だって世界でも好調じゃないですか？」

　真理子さんと奈々さんは納得してないな、まあ当然だよな実態経済は破綻せず伸長しているんだから

「言われてみてなんとなくピンと来るものも有るけど、警戒する程の物とは思えないわ」

　優子さんは言われてみて何か感じる物がある程度って感じかな？

「そうですよね、まだバブル景気の初端って所でしょうか、今の状況で皆が日本経済に危機が訪れるって意見に反対するのは当然でしょう」

　皆困惑しながらも頷いている、その上で俺は悠子さんに問いかける事にした

「……悠子さん、俺が説明する前にどうしてこれがバブル景気って気づいたんですか？」

　現時点でこれがバブルだって判断する人はまだ少数だろう、理由を尋ねてみた

「単純な事よ、正直東京の土地価格でアメリカの国土の半分が買えるって状態がまともとは思えなかったからね〜、日本の商社が世界中の贅沢品や名画を買い付ける状況も含めて加熱し過ぎてると思ってたのよ」

　そう、この時期日本の商社は世界中でかなり異常な買い付けを度々おこなっていたのだ、ゴッポの『ひまわり』は代表例だろう

「そうですね、株式投資的には来年末辺りがピークだと考えてます、それ以降は株式投資の旨みは少ないでしょう、それでも日本の景気的にまだ楽観的に動くでしょうから、資金は土地取引に流れると見てますが、それも持って1年長くて2年でしょうか？」

　全員が絶句しています、日本の景気が後3年程で破綻するって宣言した様な物ですから

「大輔君からこの話を聞いていたので、急いでた私は一見無茶苦茶ながらもネクストの短期拡大計画を実行したの、皆には多少無理して貰ったわ」

「「「「多少？！」」」」

　息ピッタリだなおい！

「美香子さんは代表から話を聞いてたんですね！」

　皆が不満そうに副代表を見ています

「あら勘違いしない様に、私も聞いたのは最近よ？」

「説明したら計画の進捗が遅いと後押しして貰ったけどね」

　美和子さんが暴露したら美香子さんに睨み返されて慌ててます、仲良いですね

「ま、まあと言う事で、今後ネクストは資産運用を来年末を目処に株式投資に関しては海外を含めた投資的なものに切り替えて行きます、また土地資産に関しても3年後を目処に一度手仕舞いし、状況を見て動くことになります、ここ1〜2年が勝負よ、皆気合い入れていきましょう！」

「「「「「はい！！」」」」」

　こうしてネクストの第二次運用計画『プランB』が発動したのであった

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