「いてて、舞子ちゃんもっとお手柔らかに！」

「知りません！　武さん、こんな心配かけさせて」

　はい、現在甘〜い砂糖漬けを食わされてる気分の大輔です

　ここは『ハイサイ』の店内で、店長の娘の舞子さんが剛田さんの治療をしております

この2人小さい頃からの知り合いらしく、いつも妹のように面倒見てたとか

　ただ舞子さんはどう見ても兄を心配って感じじゃないよな、俺でも気づくわ、朴念仁め！

「武の奴を助けてくれて有難うな、これがハイサイ名物ラフテー定食だ俺の奢りだ食ってくれ」

　この人が店長の伊佐雄さん、結構有名な料理人らしい、沖縄では知る人ぞ知るって言われる人みたい

「うめ〜、なんだコレ、肉が口の中で溶けるんですけど！」

「誠司兄信じられない！　これお箸で切れるよ、こんな分厚いお肉なのに」

「見た目凄い脂っこそうなのに、全然そんな感じがしない、むしろフルーティーな感じがする」

　小次郎と山名兄弟が絶賛しておりますが、コレはマジでうめ〜わ、下処理が完璧なんだろうな

みんなあっという間に完食、これは食べに来た甲斐があったな

「でじゃ、剛田君、奴等は何もんじゃ？」

　誠司君達兄弟が基本の調理法を店長に教わってる間に、例の男達の説明を聞く事にした

「舞子に付き纏ってるジェフって奴の取り巻き連中ですよ、何度も店に押しかけて来て絡んで来るんです、俺が何度か追い返してたんですが、とうとう暴力行為に訴えて来ましたね」

「ふむなるほど、してどれだけの人数の集団かの？」

「殆ど米軍崩れの連中ですが、何人かは実際の米兵も混じってるらしく20人位の集団ですね、一応調べておりました」

「なんじゃ既に仕掛ける算段をつけておったのか」

「はい、ただこっちの人数も足りないのでどうしようか算段中でした」

「なんじゃなら問題ないわい、ワシらが一緒に行こう」

「ちょっと待てジジイ、健太と早苗を巻き込む気か、流石に同意できんぞ！」

「な〜に、そろそろ鉄火場を見学させるのもよかろう、それ位は鍛えてあるわい」

「だからって許可できるか、どうしてもって言うなら俺も行くぞ、引率責任があるからな」

「足手纏いじゃ、2人の足を引っ張るつもりか？」

「…余計な真似はしない、指示には従う、だから連れて行け爺さん」

「は〜、仕方ないの〜絶対に言う事は聞くんじゃぞ！」

「ふふ、中々気骨のある友人ですな」

「ただの阿呆じゃ、足を引っ張るでないぞ！」

　こうして夜の沖縄で決戦が始まるのであった

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