第五十話 沖縄対バンの夜

 現在、俺と健太と誠司君と小次郎の4人はアンダードッグの対バンの手伝いとして、ライブハウス『しまんちゅ』にて準備作業に追われています


 実は、今回の沖縄旅行もアンダードッグの面々が沖縄に到着するのに合わせた計画だったのですが、まさか旅行初日から手伝いさせられる羽目になるとは……


「立ってるものは親でも使えと言うからな、大輔達が来てくれて助かったぜ!」


 昴さんの無茶振りも久々だな


「沖縄はライブのメッカですからね、私達も楽しみにしてるんですよ!」


 珍しくケイさんが前に出て張り切ってる、本当に楽しみにしてるんだろうな


「しかし、今回もいつものように前座スタートですか」


「地域移動しての初めての時はよくある事よ、気合いも入るわ」


 環さんも気合い入ってるな〜、あっ、師匠はいつも通り小動物可愛い!


「さて準備も済んだ事だし、そろそろ時間だ始めるぞ、全員傾聴!」


いつもの奴を由佳さんが始める


「「「「Yes ma’am ーーーー!!」」」」


「南国という事で浮かれてる阿呆は居ないな?」


「「「「No ma‘amーーーー!!」」」」


「初めての島国でブルって縮こまってるお嬢ちゃんは?」


「「「「No ma’amーーーー!!」」」」


「よろしい、ならば演奏だ、ここも我等がナワバリとなる、雌犬共我らが宴の時間だ!」


「「「「YAーーHAーーーー!!」」」」


 こうして彼女達の演奏がここ沖縄でも始まる




 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 「凄かったな〜」 「うんめちゃくちゃ凄かった!」


 初めて生でアンダードッグの演奏を聴いた誠司君と小次郎は、興奮冷めやらぬのか興奮しっぱなしだ、2人を落ち着かせてホテルに返す、俺と健太は残ってアンダードッグのメンバーと片付けと打ち合わせだ


 さあ打ち合わせ、と思ってたら何故か対バンの2組と共に飲み会となっていた…


「まさか内地んちゅにしてやられるとは、くやしさんね!」


 シーサーのリーダーの力也さんが、悔しげに由佳さん達を褒めている


「いなぐわらびんでぃんーちあまくんーちゃるぬが敗因」


 マクガンのリーダーの勝男さん、方言がキツすぎて理解できません?!


「いやアンタらも凄かったよ、向こうじゃ前座の私らにビビってボロボロになる奴が多かったのに、アンタら全力で立ち向かって来たからな」


 リーダー同士の面々は飲みながらも良好に交流を取っていたがこちら側では


「だからTNネットワークだって、アニメのEDよかろう!」


「判ってない、判ってないよ、BOOYこそ最高のバンドやろ、解散は早過ぎたよ」


「ブルーハーズの良さがわからん連中はこれだから……」


 お互いが好きなバンドを語り合い一触即発の事態に、これだから酔っ払いは……!!


 おい、そこでブービーボーイズをディスった奴、ちょっと裏こいキレちまったよ!


 こうやって沖縄の初日は過ぎていくのでした

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