第三十八話 円福寺事件②
「健太何やってんの?」
目の前の光景に余りに驚いたので聞き質したのだが
「そんな事よりも、誠司君とそこの子を連れてここから離れよう」
それもそうかと思い、俺と健太で誠司君を支えて立ち去る事に
「あ〜、早苗さんもここから離れた方が良いと思うよ?」
「わかったわ、でもその前にーー」
「3人共、助けてくれて有り難う」
「いや気にしないで」
「ぼ、僕は謝られる立場じゃない、逆に謝らないと、巻き込んでしまってごめん」
「俺も気にしないで、それよりも向こうが目を覚ます前に移動しよう」
とりあえず僕達は一度ここを離れ学校へ戻る事にした
グランドにある水場で誠司君の傷を洗い流すと、健太がバッグから応急道具を取り出しテキパキと誠司君への応急処置を行う、その手際の良さに驚く
「天童さん、追い回した挙句こんな危険な目に遭わせてしまってごめん!」
誠司君は納得してないようでまだ謝っている
「謝罪は受け取ったわ、それに助けてくれたみたいだし、もう良いのよ許します」
「有り難う」
「で誠司君は良いのだけど、貴方達は誰? 貴方はあの時会った人よね?」
そういや自己紹介もまだだった事に今更ながら気づいた
「えっと、そういえば自己紹介もまだだったね」
「俺は、2年C組、風間大輔でこっちが同じクラスの岡崎健太」
「よろしく」
とりあえず自己紹介しておく
「私は2年A組、天童早苗もう一度言うわね、助けてくれてありがとう、3人共」
お互いの自己紹介も済んだ所で、健太が一言
「天童さん、不躾な質問で悪いんだけどどうして円福寺に行ってしまったの?」
「私が円福寺に行かないと周りの人間を狙うぞって脅されたの」
成る程、それで1人で行く事になったのか
「でも危険だよ、誰か大人に相談すべきだったんじゃないの?」
健太は1人で行った事に不満があるようだ
「その時は何とかなっても、後で隠れて周りを巻き込むのが嫌だったし、1人でも何とかなると思ったのよ」
「君なら1人でも何とかなったかもしれないけど、それは慢心だよ、多人数相手に不意を突かれたら達人だってどうにもならない事だってあるんだ、君は反省しないといけない」
健太の言う事に唇をかみしめて悔しそうにしているが、言ってる事に間違いはない
「わかったわ貴方の言う通りよ、悔しいけれど認めないと……」
その後も色々と話をして2人とは別れて帰った、その帰り道
「健太さ〜、なんで強くなってんの?」
俺は尋ねる事にした
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