第三十七話 円福寺事件

「止めろと言ってるだろう!」


「うっせ〜、もうお前はもう用無しなんだよ!」


 いきなりですが、ただいま事件の真っ只中な現場に居ます、大輔です


 学校の始業式も終わり自宅に帰る途中、どっかで見た事ある二人が揉めてるとこに遭遇したのです


「金払いの悪くなったお前はもう必要ね〜んだよ、しゃしゃり出てくんな、バーカ! (バキっ!)」


 盛大に殴られた1人が俺の方へ飛ばされてきたので、慌てて身を交わします


「待ってくれ!」


 彼は止めようと足掻きますが、相手は振り返りもせず去っていきます


「う〜、どうすればいいんだ……」


 あまり乗り気ではないんだが、ここは聞くべき流れなんだろうな〜


「え〜っと、何かお困り事の様だけど?」


「すまん、誰か知らないが円福時まで連れてってくれ、頼むこの通りだ!」


 そうか顔は覚えてないよな〜、彼は時代劇風にやられ去っていった際の親玉、確か誠司君だったか?

見ず知らずの俺に土下座まで敢行した事で助ける事にする


「連れて行くのは構わんが、何があったの?」


「奴等、彼女の事が生意気だって大勢で彼女をシメるって話を聞いて止めようとしたんだけど」


げっ、円福寺事件か!


 説明しよう円福寺事件とは、天童早苗四伝説(学内で有名)の内の一つ、野郎数人でシメようとした男連中を、彼女1人で返り討ちにしてしまった事件である


 正直ほっといても良いと思うんだが、歴史のズレがある、何が起きるかわからない以上ほっとくのは不味いだろう

 早苗には未来で世話になったしな、ここは健太も呼んで一緒に助けに行く事にするか


「話はわかった、応援を呼ぶから着いてきな」


「すまない感謝する!」


 健太はまだ学内にいる筈なので戻りながら自己紹介等を済ませる

 彼の名前は山名誠司、3人組の1人だったのだが親が破産した親族に巻き込まれて同じく破産

金払いが悪くなった途端に彼等との付き合いが悪くなり、とうとう突き放されたとの事


 その際に、生意気な彼女をシメようと言う話を聞き、止めようと頑張ったようだが


 とりあえず学内で健太に合流出来たので話を伝える


「わかった準備してすぐ行く、2人は先に行ってなんとか相手を抑えて時間を稼いでくれ」


「了解、先に行くから応援宜しく」


健太は何か手があるのか俺達2人が先に向かう事になった


 円福寺に到着した俺達だが目の前で御神木を背に腕を抑えて追い詰められてる早苗を発見


 ヤバい、やはり歴史がズレたせいか早苗の方がピンチに陥ってる


「うおーーっ!!」


 雄叫びをあげて誠司君が突っ込むがあっという間に袋叩きに!


 やるしかないと思い、いざ飛び込もうとしたその時、俺の横を風の様なスピードで何かが駆け抜ける


 そいつは何か警棒の様なものを使い、不意打ちで4人の相手を瞬く間に叩き伏せる

残った3人が怒って向かって来ようとしたが、そいつが投擲した何かで頭を撃ち抜かれ昏倒

驚いてる最後の1人を再度不意打ちにて昏倒させる、あっという間の出来事だった


 唖然としてそいつの姿を確認したのだが、そいつの正体が自分でも信じられなくて何度か頭を振った後、再度確認し愕然として思わず叫ばずにはられなかった


「健太何やってんの?」

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