第三十六話 1988年のお正月

 1988年あけましておめでとうございます、大輔です


「「「明けましておめでとうございます」」」


「はい有り難うございます、今年も宜しくね」


 今年は家族+1での新年のご挨拶です


「今年も本家へ行かなくて良いの?」


 ちょっと気になって美和子さんに聞いてみます


「あ〜っ、本家は今正月は忙しくてね〜」


「ほっとけ、ほっとけ、姉貴が上手く回してるだろ」


 風間三姉妹の長女泰子さんは、現在旦那さんの関係で正月は大変らしいです、詳しくはいつか話す事になると思います


 さて挨拶も済んだので、今年も恒例のお雑煮タイムです


「うめ〜!やっぱ姉貴の雑煮はマジでサイコーだわ」


「本当に美味しいよね〜」


「年々美味くなってる気がする……」


「もう〜♪ 褒めても何も出ないって言ってるじゃない」


 はい、今年も恒例のやり取りが済み、本日のメインイベントお年玉の儀である


「今年も二人とも良い子でいますように」


「「有り難う御座います♪ 」」


 本年も無事完了と思ったら


「姉貴、私にはないのか」


由佳さん、あんた年齢を考えなさいよ


「あら、由佳ちゃん、本当にお年玉欲しいの?」


 あ、笑顔の裏にこっそり鬼が見える


「いえ結構です!」


 由佳さんが真面目になったところで、今年も皆で初詣と参りますか


 さて初詣に向かったのですが、道中に見覚えのある二人の姿があります


「よっ、健太、明けましておめでとう」


「おめでとう、大輔も今から初詣か?」


 ご存知岡崎兄弟と相まみえる事に


「あら康二さん、明けましておめでとうございます」


「おめでとう御座います、本年も宜しくお願いします」


 皆で挨拶を交わし合流して初詣に行く事になった


「へ〜、結構良い男じゃん、誰だよ?」


「そっか、由佳さん初対面なんだっけ、健太のちょい歳の離れた兄貴」


 ていうか由佳さんって康二さんがタイプなんだ、歳はお似合いなんだが康二さん、美和子さん一筋なんだよね


「おや、こちらの方は?」


「初めまして、私美和子の妹になります由佳と申します」


 うおっ! いきなりでかい猫被りやがったぞこのアマ


「初めまして健太の兄の康二と言います、美和子さんの妹さんですか、可愛いらしい方ですね」


 こっちはこっちで自然と女性をエスコートしやがるし

美和子さんがクスクス笑う中、皆でお参りを済ませました、えっ特に何もありませんでしたよ?


 由佳さんはちょっと残念そうでしたが、基本的に康二さんって美和子さん以外には朴念仁ですから

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る