第二十話 未来は変革する

 「つまり今の大輔は中身が49+1歳のオッサンって訳だな」


「誰がオッサンか! みろこのピチピチとした肌を誰がどう見ても美少年じゃろがい」


 説得には多少時間が掛かると思ったが、流石の直感力、俺が嘘を言ってないことはすぐ理解したみたい


「ふーん、2023年か〜、未来ではやっぱり車が空飛んだりする訳?」


「飛ぶ車もあるけど殆ど実験機で少数だし超高級品だしで、しかも日本では規制で殆ど乗れないよ」


「兄ちゃん本当? 飛ぶ車もあるの?」


「ああ本当だぞ、ただ殆どの車? は風の力で飛ぶドローンってもんに近いから今の車みたいな感じじゃ無いな、どっちかと言うとヘリに近いな」


由佳さんを含めて、俺を囲みながら皆で未来の話で盛り上がってる時に由佳さんがふと呟く


「そういえば未来の私ってどうしてんの?」


あ〜、やはりそれを聞いちゃうか〜


「二人にも説明はしてあるけど、未来の自分の事に対しては、なるべく説明しない事にしてるんだ」


「どうして?」


「歴史が簡単に捻じ曲がってしまう事、捻じ曲がった結果幸せになったら良いけど不幸になったら俺が耐えられないよ」


「そう言うことよね、私に伝えてしまったのは酷い事になるのを止める為だったものね」


「何があったの、姉貴?」


「そうね、由佳と小次郎には話しておいた方がいいかもね」


そして美和子さんは何があったのか語り出す、話を聞き終わった二人は直後


「私がそいつぶっ飛ばしてくるわ!!」


「僕も行く!!」


「およしなさい、既に私がぶっ飛ばして来たわ」


え〜っ!美和子さんぶん殴って来たんだ、マジかよ

2人とも相当面食らったのか言葉をなくし呆然としてる


「ま、まあと言う訳だから、俺が喋る事はないぞ、それに逆説的にいえば話さないって事はそんな悪くないってこった」


「ふーん、そう言う事ならわかっ……!」


あれ、嫌な予感、なんか閃いたっぽいぞ


「なぁ、未来の自分については話せないんだよな?」


「う、うん影響が強すぎるからね〜」


 その話を受け由佳さんが突然目の前で土下座を敢行


「自分達のバンドを救いたいんだ、大輔の知る未来のヒット曲を教えてくれ!」


え〜、それって滅茶苦茶未来に影響する話じゃん!

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