第十八話 相棒の条件
時をちょいと遡る事、3月中旬、少しだけ美和子さんと口論になりました
「駄目だって、コレは使えないよ!」
「いいのよ、このお金は大輔君が自由に使っていいお金なんだから」
実はNTDの株を300万で利確した際の資金の使い道に対して意見の食い違いがあったのです
「会社の資産として絶対に運用に回すべきだ!」
「当座の資金は借入した分で十分賄えるわ、大輔君のお陰でネクスト設立の目処が立ったんだもの、このお金は自由に使うようにしなさい、領収書だけ切ってくれたら税金の対応もこちらで処理するわ」
「会社の為にも資金は余計に必要でしょ!」
「大輔君の未来知識から得た情報が有ればバブル崩壊まで会社を大きくし続けるのも問題ないわ」
「それにしたって……」
「このお金は大輔君の好きに使って欲しいの、私自身が大輔君がそれをどう使うのか楽しみなのよ!」
「と言うわけで、自由裁量で使えるお小遣いがここに9000万あります」
と通帳を提示して見せる、はい、ただいま第15回シックル会議開催中となっております
「お前大概にしとけよ、中学生のお小遣いってレベルじゃね〜ぞ!」
まあ健太が切れるのも無理はない、だが本番はここからだぞ
「既に8000万については投資先も決めてある、残りの1000万についてだが、ここから200万を健太に貸し出す事にした」
「ブーーーーーーーーっ!?」
「完全にフリーハンドだ、どう使うのかお前が決めろ」
「おまっ?おまっ……」
アヒルかな?
「実戦テストだ、自分の学んだ知識から好きなようにやってみるといい、当然俺に聞くのもありだ!」
しばらく呆然として混乱していた健太だったが数分後
「いや、それはしない、それは大輔の行為を無にするものだから」
俺は苦笑して見せる、だから俺は健太を相棒に選んだんだ
こいつには康二さんほどの優れた才能は無いのかもしれない、けどそれを遥かに上回る資質を備えてる
本質を捉える能力それもあると思う、でもそんな物よりも他人から無条件の信頼を勝ち取れるその行動力だ
本来大金の相談なんて生臭い話は他人と余りするものでは無い、でもコイツとなら普通に話せるんだよ
「よし、なら中学卒業の時にでも結果だけ知らせてくれ」
「わかったやってみるよ!」
「ヨシ! これにて第15回シックル会議の閉幕だ」
その後、自宅に帰った俺は炊事場で料理中の美和子さんへ
「とりあえず無利子無担保で200万健太に貸し出す事にしたよ」と伝えた所
驚愕の表情で振り向いた後、爆笑を堪える為お腹を抑えつつ震えていました
あの〜刃物を握ったまま爆笑堪えるのは怖いのでやめてつかーさい
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