第十五話 難敵現る②

 中学生の俺が投資アドバイザーと名乗り、名刺を差し出した事で驚愕した康二さんだったが、少しずつ話をする内に落ち着いたらしい


パンフレットを見ながら康二さんが呟く

「しかし月額30万はちょっとぼったくり過ぎじゃねーか?」


「これは4月にネクストが法人化してからのサービスになる予定なんだけど、お客様にどう資産を運用していくのかポートフォリオを提示する予定だし、ネクストが自社で運用してる資産状況も証拠付きで提示するつもりだよ」

「景気のいい事を言って、お金だけ集めて後は放置なんて輩とは全く違うサービスだと認識して欲しい」


「成る程……ある程度の指標を出して貰えるし、自社の資産運用実績も証拠付きでしっかりと提示出来るならサービスの質は保証されるのか」


「それでも詐欺なんてもんは往々にして起きるもんなんだけどね〜w」


「いやお前がオチをつけるなよw」


俺と健太がコーヒーのおかわりを飲んでいる間、しばらく考え込んでた康二さんは徐ろに

「いいだろう、この条件なら30万でも安い」


「お金大丈夫? うちは一応資産家向けのサービスなんだけど…」


「車と株を担保に借り入れる、運用が上手くいけば間違いなく資産を増やせる問題ない」


「まいど、ああ契約に関してはうちの社長とやり取りしてね」


「お前が社長じゃないのか?」


「おいおい、俺ってまだ中学生!」


「ああ、余りにも普通に大人とやり取りしてる気分になって勘違いしてたわ」


勘弁してくれ、中身は兎も角外見はどう見たって美少年だろ キリッ!


「大輔のお母さん、美和子さんが社長なんだよね!」





それを聞いた途端、康二さんの表情が激変した


「それを先に言え、伝票はコレか? 俺は今から契約に行ってくる、それじゃまた」


あっという間に外に飛び出して行った康二さんを見て俺たち2人は唖然とした!


あっ、あ〜〜!? 思い出した!


 未来で二人で新宿で飲んでた時、ベロっベロに泥酔した康二さんがうっかり漏らしたので俺は知ってる


そういえば、あの人美和子さんにベタ惚れだったわ!


これは早まったかも知れん……

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