第二章　最初の大波を越えていけ

　1986年も10月になり、僕が購入した東電力HDの株価も鰻登り8500円をつけた時点で一度利確する為に手放す事にしました。

　3450円の時点で200株程購入してたので、おおよそ2.5倍、この時点で手元資金は200万を超えました。

　今後の運用先ですが、初期バブル株の代名詞の一角、日本転電公社(NTD)が10月末に公募を始めるのでこれを狙います。

　この株が大体120万前後の値で売り出すのを未来知識で知ってた俺は狙っていたのです。

　だが現状では1株程度購入するのが精々、これでは思ったほど利益が出ません

　その為できればこの手は使いたくはなかったのですが、俺は裏技に頼る事にしました

　健太の兄である康二さんにお願いして急遽馬券で資金を稼ぐ事にしたのです。

　この年の天皇賞秋は、桜の馬とネクタイの結び方が語源の馬が来る事を競馬ゲームの知識で知っていた為これを利用する事にしました。

「健太悪い康二兄にお願いがあるから連絡してくれ」

「おうわかった、兄ちゃんに聞いてみる」

　その後、康二さんに連絡を取り、馬券の購入をお願いしました

　不審に思う康二さんをなんとか説得し、今後色々な問題で苦労するだろう事は覚悟しつつ、資産のほぼ全額を使い馬券を購入、見事3500万まで資金を増やす事に成功したのです。

　その後NTDが10月末に出した公募予定価格は119万、来年2月の上場時に出来る限り購入する予定です。

　これが上手く行けば最初のスタートダッシュに目処が立ちます、頑張らないとな！

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