第7話 映像と音声

 やはり、最近では、なかなか外出することもないので、聞き込みを行っても、思うような成果は得られなかった。

 そんな中で、表に、出前を頼んだのか、容器が置かれている家が散見されることに、刑事も気が付いた。

 最初はさすがに、そんなに意識はしていなかったが、階を進むごとに、つまり、階が上がっていくごとに、その数が増えてくるのを感じた。

「なるほど」

 と一人の刑事が自分だけで納得したが、隣にいた刑事も、相棒にいきなり納得されてもビックリするだけで、

「どうしたんですか?」

 と聞くしかなかった。

「いえね、この出前の多さは、昨今のパンデミックのせいではないかと思いましてね」

 というと、もう一人の刑事もそこまで聴いて、すぐに理解した。

「なるほど、表に出て買い物にいけないから、ウーバーイーツだったりの出前が多いということか」

 というではないか。

「そうなんですよね。昔の出前というと、その店のものしかダメだったけど、今はネットで注文もできるし、配達会社の会員になることで、誰でも利用できるというわけですよ。しかも、今は、配達員がものを集まてきて、ファーストフードの、テイクアウトをそのまま持ってきてくれるということだから便利ですよね」

 という。

「うん、俺なんか、ドライブスルーがあるのに、最初はビックリしたが、今では、自分で物色しなくても、カタログや注文サイトで確認して、ハンバーガーや、ピザなどのテイクアウトをメニュー選択すれば、配達員が持ってきてくれるというのだから、本当に便利だよな」

 ともう一人の年配の刑事が言った。

「そういう意味では、そういう配達員お人なら、何か知っているかも知れませんよ?」

 ということだったので、聞き込みが終わって署に戻ると、さっそく報告し、捜査を願い出た。

 その頃には、署内で捜査本部も出来上がっていて、いよいよ、本格的な捜査体制が組まれるということになったのだった。

 捜査本部では、本部長と、実質的な捜査員を取りまとめ、司会進行を行うというところで、実質的なリーダーとしての、

「門倉警部」

 が、取り仕切ることになった。

 そして、現場の責任者としては、

「桜井警部補」

 が任命され、

「門倉、桜井」

 というコンビが、捜査本部で君臨することになった。

 二人は、まだ桜井が刑事時代からの、

「名コンビ」

 と言われ、捜査本部などでも、そのコンビがうまく機能することで、難事件を解決してきたということであった。

 今回もこのゴールデンコンビに、署長をはじめ、まわりも期待していた。

 ただ、まだこの時点では事件としては地味なものであり、それ以上に、事件の内容を知った人は、

「これは地味な事件だな。少しずつしか解決に向かわないのではないか?」

 というのが、マスゴミの意見で、

「地味で、あまり記事を期待できない事件」

 として、見られるようになった。

 だが、実際には、他に大きな事件があるわけではないので、えてして、警察版のマスコミは、少し慌ただしくなっていたようだ。

 中には、

「警察のミスや不祥事」

 と言った負の部分のあら捜しをしようとしているマスコミもいるようで、

「それこそ、マスゴミだな」

 と言いながらも、報道の自由というものを持ち出されると、どうしようもなくなあるのであった。

 二人は、宅配の人を考えた。ここに出入りしている宅配業者の人を聴いてみると、定期配達を行っているという、F運送の人に話を聴きに行くことにした。

 捜査本部では、まずは、

「宅配業者から、情報を得る」

 という表の捜査と、

「防犯カメラの映像」

 という地味で疲れる捜査の二手に別れた。

 表の捜査とはいえ、リアルに歩いて捜査をするという意味で、表も人海戦術が必要なはずなのに、それができないのは、辛い気がした。

 まずは、辰巳刑事を中心とした二つのグループが表の捜査に当たることになった。

 辰巳刑事としては、まず自分ともう一人の刑事で、、

「F運送の宅配員に聞き込みを行う」

 ということと、もう一方では、

「第一発見者の新聞配達員に再度話を聴きに行く」

 ということであった。

 新聞配達員には、あの時、ほとんど、情報が聞けなかったことでの、念のためということであった。

「辰巳刑事は、あの新聞配達員が何か気になるところがあるんですか?」

 と、相棒の刑事に言われて、

「うん、そういうハッキリとしたものはないんだが、何か、気にはなるんだよな。やつが最初に発見したというのがね」

 というので、

「でも、それは普通なんじゃないですか? 死亡推定時刻は、深夜の時刻が変わる頃だというではないですか?」

 というので、

「確かに、犯行現場があそこであったのかどうか分からないところが気になるんだよ」

 と辰巳刑事が言った。

「そんな形跡があるんですか? でも、それなら余計に、犯行時間よりも、さらに後ろになってからあそこに死体があることになるのだから、それだけ、発見される時間が短いということになって、発見されにくいのでは?」

 ということであった。

「私はね、どうもあの新聞配達員なんだけど、見ていると、どうも自分が死体を発見したことに、何らかの驚きがあったような気がしたんだよ。通報だって、戸惑ったのは、確かに警察に疑われるのではないかという思いがあったといえば、説得力があるが、実際にはそうではなく、どちらかというと、そこに死体が転がっているということを、自分で感じていなかったのではないかと思ってね」

 という。

「じゃあ、彼が犯人だと?」

 と聞かれ、

「いや、そんなことをいっているんじゃないんだ。あの男が、死体がここにあるということに驚いたということが証明できれば、逆に、彼が犯人ではないということも、同時に証明できるような気がするんだよ。つまりは、あの配達員は、事件に関する何か重要なことを知っているが、実際には、それ以外のほとんどのことを知らない、下手をすれば、犯人は知っているが、それ以外のことは、まったく何も知らないのではないか? というそんな歪んだ発想が頭の中に浮かんでいて、モヤモヤしているんだよ」

 というと、

「ああ、私も混乱してきましたね。それこそカオスというものですよ。でも、もし、辰巳刑事がそう感じているのだとすると、あの配達員は、もっとモヤモヤしているんじゃないですか?」

 と言われ、

「そうなんだ、私もそれを感じている。だから、あの男を見張っていれば、ひょっとすると、真犯人に辿り着くんじゃないかとも思うんだよな」

 と持論を、辰巳刑事は述べた。

「じゃあ、どうして、それを捜査本部で言わなかったんですか?」

 と言われ、

「そんな俺一人が漠然と考えているだけのことを、あの場面で言えるわけがないだろう? あくまでも、俺の想像でしかないんだ。その件に関しては、きっと桜井さんは分かってくれていると思うんだよな」

 と、辰巳刑事はいう。

 辰巳刑事と桜井警部補とのコンビも、昔の門倉本部長と、桜井警部補とのコンビに負けず劣らずのコンビであった。まさに、

「ツーといえばカー」

 ということである。

 そして、辰巳刑事と今コンビを組んでいる岩崎という刑事は、最近、交番勤務から、刑事課への転属の希望がかなって、F署刑事課に赴任することになった。

「教育係」

 として任命を受けたのは、辰巳刑事であり、辰巳刑事は、やる気を見せるわけでも、嫌な気分というわけでもなかった。

「普段通りの勤務の中で、俺の背中を見て育ってくれればいい」

 という感覚だったのだ。

 ただ、相手が興味を持って訊ねてくれたり、こちらが、相手を

「助けてあげたい」

 と思ったりすれば。それは、

「自分の本能に任せる」

 という程度に思って、なるべく、教育係だという意識は持たないようにしていた。

 だから、岩崎刑事は、

「自分の相棒」

 というだけであった。

 岩崎刑事というと、

「やっと、刑事になることができた」

 と思っていただけではなく、警察官の頃から、辰巳刑事の捜査に対しての姿勢を見ていて、それで密かに憧れを持っていたのだ。

「警察官にはなったが、実際に誰を目標にすればいいのか?」

 などというのは、皆無であった。

 正直にいうと、

「公務員であれば、首になることはない」

 という不謹慎な考えもあったのであるが、実際に警察に入ってみると、テレビドラマで見た、

「縦割り社会」

 であったり、

「縄張り意識」

 などというものが、本当に渦巻いている世界であるということを知り、少し失望してしまい、

「まあ、何とかその日、その日を無難に過ごせればいいか?」

 という程度にしか思っていなかったのだ。

 だが、実際に、警察官としてやってみると、

「地域住民の暖かさ」

 のようなものは感じ、

「このまま、地域住民のための警察官であればいい」

 と、一生、このままでいいとさえ思っていたのだ。

「出世なんかしたって、どうなるものでもない。制服警官をしていれば、ちょっとした親切をしただけで、あんなに感謝されるんだったら、制服警官が一番偉いんだと思えばそれでいいじゃないか」

 と思っていたのだった。

 しかし、そんな、

「お花畑」

 のような世界は、そう長く続くものではなかった。

 それがちょうど二年前のことで、自分の交番の管轄する中において、火事が起こった。そこは、商店街の一角だったので、密集した一体で起こった火事は、折からの風にあおられて、火の手が広がっていったのだった。

 そこで、その火を消そうと、消防団が必死になって、消火に当たっていたが、必死の消火作業にも関わらず、火の勢いは強まる一方で、ほぼ夜中燃え続け、3軒の店が全焼し、半焼が、10軒にも及ぶという、このあたりでは今までになかった大火事になっていたのだった。

 しかも、焼け跡から、二体の死体が発見された。どうやら逃げ遅れた老夫婦のようで、その老夫婦には、毎朝挨拶をしてもらっていたことで、

「俺が、警官を続けられて、今日の自分がある」

 と岩崎刑事に思わせた牢風だったのだ。

 岩崎刑事が愕然とした。

「命の恩人ともいうべき人たちを目の前で死んでいくのを、どうすることもできなかったのだ」

 と思うと、自分の無能さと、

「どうして、あんないい人が死ななければいけなかったんだ?」

 という、世の中の理不尽さに、押しつぶされてしまうような、やるせなさを感じるのだった。

 しかも、捜査が進むうちに、

「ある一定の場所が、燃え方がひどいんだ」

 ということになり、それが、家の中ではなく、表のごみ置き場になっているということから、

「今度の事件は、放火犯人がいる」

 ということで、

「事故から、事件へ」

 と様相が変わってきたのであった。

 それを聞いた辰巳刑事の怒りが爆発したのも、無理もないことだった。

「これじゃあ、放火殺人ではないか?」

 と、まさにその通りである。

 特に放火殺人というのは、罪の重いものだ。

 何といっても、

「火をつける」

 という行為は、必ず、その人の財産を奪うということである。

 相手のものにならないとしても、火事によって、住む家、さらに家の中に置いてある財産もろとも、火にまみれて、焼失してしまうということだ。

 当然、火災保険には加入はしているだろうが、それ以前の問題で、特に商売をしているのであれば、店を再建できたとしても、それまでは、失業状態であり、しかも、財産もろとも灰になるのだから、放火という所業の残忍さというのは、

「同情の余地」

 というものは、皆無だといってもいいだろう。

 しかも、今回は、それだけでは済まなかった。

 財産が亡くなったとしても、命さえあれば、まだ何とかと言えるのだろうが、その命さえも、跡形もなく、亡くなってしまったのだ。

 それを思うと犯人に対しての怒りは、頂点に達し、

「犯人はこの俺の手で」

 ということを考えていたのだった。

 正直、刑事課の方で、

「放火殺人」

 ということで、捜査本部が開かれ、捜査が行われることになった。

 この事件は、想像以上にその反響は大きく。新聞も、これが、放火であると分かると、一面を飾るくらいになったのだった。

「老舗商店街の悲劇。犠牲者は、善良な市民である老夫婦」

 というような見出しが一面で踊れば、世間の関心も次第に深まっていき、犠牲者の家の前には、毎日のようにたくさんの人が、献花や、供物を持ってくる人の数が絶えないというほどの事件となっていた。

 この事件は、警官も動員されての捜索となったので、岩崎巡査も事件にかかわることになった。

 それはよかったのだが、やることというと、事件に直接かかわることはできず、見張りであったり、交通整理のようなことであったりと、分かってはいたが、捜査権のまったくない制服警官では、何もできないということを思い知らされたのだ。

「このまま無難に警官を続けていられればそれでいい」

 などという甘い考えを持っていた自分を、ぶん殴りたい気分である。

「こうなったら、刑事になって、捜査一課に行くしかない。これが俺にとっての、あの老夫婦に対しての弔い合戦だ」

 と思うようになっていた。

 そんな岩崎刑事のやる気を見たのか、辰巳刑事は、

「君は、刑事課を目指している岩崎巡査だね?  頑張ってください。私は刑事課で待っています」

 という声を掛けてくれたのだった。

 今ではそんな辰巳刑事の下で働けることを、誇りに思うのだった。

 ちなみに、あの時の放火事件であるが、結局、有力な手掛かりを得ることができないまま、

「お宮入り」

 となってしまったのだった。

 その時の火事を忘れることはなかったが、そればかり気にしていては刑事は務まらない、あれを、バネにして、

「これからもがんばろう」

 と思った岩崎刑事だった。

 一方桜井警部補は、防犯カメラの解析を、急いでいた。三浦刑事に任せていたが、

「桜井警部補、ちょっといいですか?」

 といって、桜井警部補は、言われて防犯カメラを確認にいった。

「これは、深夜の2時すぎくらいの映像なんですが」

 ということで、見ていると、そこには被害者がエントランスに入ってきていた。

 そこに、一人の男が彼に話しかけている。すると、後ろから、まるでレインコートのような服を着た華奢な人物が現れて、後ろから刺し殺したのだった。

 その華奢な身体の体重を思い切り預けるように突き刺しているのだから、背中を刺された被害者もひとたまりもないだろう。

 ただ、すぐに絶命するということはなく、後ろを振り向いて、目深にかぶっていた帽子を放り投げていた。そこに写っているのは、華奢な男だと思っていたが、一人の女性だったのだ。

 女性としては、それなりの恰幅で、

「なるほど、女性でも、これだけの力で背中から不意打ちを浴びせれば、一思いに殺すことができるだろう」

 というものであった。

 ただ、その場面を見る限りでは、犯人が誰なのか特定することはできなかった。帽子が吹っ飛んでいても、顔には包帯のようなものがまいてあり、その顔を確認することはできなかった。

「うーん、この女は、自分の正体を見られないようにしているのだろうか?」

 と思った。

 確かに、

「帽子をかぶって、レインコート、さらには、顔に包帯」

 と変装しているように見える、

 ただ、マスクは今の時代では当たり前のことであり、少々変装をしていても、

「怪しい」

 という雰囲気に見えることはないのだ。

 そんなことを考えていると、

「この男は誰なんだ?」

 と桜井警部補は、その男は後姿ではあるが、人物の特定は容易な感じがした。

 ここで分かったことは、

「犯人は二人組である」

 ということと、

「二人は、防犯カメラを意識していないのか、変装はしているが、すぐにバレそうな様相は、何か中途半端に感じる」

 というものだった。

 実際に、男は後ろを向いているが、帽子をかぶっていてマスクをしているだけで、それ以外には普通であった。時々目の様子は、雰囲気が分かる角度になる。

 そう考えると、

「犯人は、防犯カメラを意識していないのだろうか?」

 と思ったが、少しして、桜井警部補は、

「最初は、防犯カメラをまったく考えていないのかと思ったが、いや、そうじゃない。その位置を分かっていて、わざとリアクションを取っていて、その行動は計算されているのではないだろうか?」

 と感じたのだった。

 というのも、防犯カメラというものを、さらに、その位置を意識しているからこそ、被害者に話しかけた人物は、横顔で正体が分かるかも知れないとは言いながら、反対方向なので、それほど変装をしていない。

 しかし、逆に実行犯の女の方は、がっつりとした変装をしているのは、明らかに防犯カメラに正対するということが分かっているからであろう。

 ただ、その割に、帽子から下は、包帯をしている。

「この包帯は、何を意味しているんだろう?」

 と、桜井警部補は感じた。

「帽子がはだけた時に、自分の正体がバレないようにということなのだろうか? それとも本当に顔にケガをしているので、包帯を巻いているというだけのことなのだろうか?」

 と考えたのだ。

 防犯カメラを意識して、自分たちの正体が分からないようにしようというのであれば、もっとやりようがあったのではないだろうか? そもそも、防犯カメラの位置を知っているのであれば、最初から防犯カメラのその時間、映らないように、細工をすることだってできなくもないだろう。

 ただ、防犯カメラに触ろうとすると、センサーが働いて、細工ができないようになっているのではないかと思ったのかも知れない。

 今のところ考えられるのは、

「犯人が防犯カメラのことを意識している」

 ということが考えられることだった。

 桜井警部補が注目したのは、最初に話しかけた男が、何かを口走っているということであった。

 それを聴いて、明らかに、被害者が狼狽しているのが分かった。ただ、後ろを意識させないようにするために、話しかけただけだという雰囲気でもないように思えたのだ。

 それを考えると、

「この二人は共犯なのだろうが、どこまでの結びつきなんだろうか?」

 と感じた。

 さらに、殺害することだけが目的であり、何も物色していないことを考えると、

「動機としては、復讐なんだろうな」

 ということは、間違いないような気がした。

 そうでもなければ、被害者がいきなり話しかけられた相手に、あんなに怯えるとは思えない。

 そして、もう一つ言えることは、

「被害者と、最初に話しかけた男とは、面識がなかったのではないか?」

 ということであった。

 被害者が話しかけられた時、笑顔は一切なかった。

 かといって、怯えがあったわけでもなく、話しかけられ、その話の内容に被害者は、いきなり、いや、みるみるうちにというべきか、その表情が怯えに変わっていっているようだった。

 一瞬で変わったかのように見えたのは、防犯カメラの映像に音声が一切入っていないため、何を話しているのか分からない状態なので、あっという間に感じたのだろう。

 ただでさえ、夜中の二時過ぎ、普通であれば、

「草木も眠る丑三つ時」

 と言われる時間帯である。

 要するに、そんな時間帯において、ほとんど静寂の中で犯行が行われ、時間としては、約十分くらいのことではなかっただろうか? 音声がないのが余計に不気味さを感じさせるが、実際の犯行でも、

「ほとんど音がなかったのではないか?」

 ということを感じさせるものであった。

 そんな時間帯の中で、防犯カメラを見ていたが、やはり、何を言っているのか分からなかった。

 ただ一つ気になったのは、被害者が断末魔の瞬間、苦しそうな顔の中で、急に情けないような表情をしたことであった。

「被害者が死ぬ時、こんな表情を普通はするものだろうか?」

 と、桜井警部補は、今までの刑事生活の中で、そこに何となくの矛盾を感じたのであった。

 矛盾というのは、

「どこにそんな矛盾が?」

 と聞かれると、

「ハッキリ答えるには、難しい」

 としか、答えることができない。

 それを思うと、

「映像と音声の分離」

 という不思議なキーワードをこの防犯カメラから、感じるのであった。

 防犯カメラのその後の様子を、犯行が行われた場面を何度も繰り返して確認した後に、見る形になった。

 結局何度も繰り返してみても、新たな発見にはつながらない。被害者が、殺されたということ以外、先ほどの感覚にいたりはしたが、それを確定させる確証は、発見できたわけではなかったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る