第4話
「劇辛大将軍! 趙軍が来ました!」
楼閣を登り、儂も敵を視認した。階段が、キッツいな~。
一年ぶりだ。でも趙国の再侵攻は、予想していた。
「前回と同じね。防衛に徹してね。無断で打って出ると、処すからね~」
「「「はっ!」」」
大分、儂の考えが伝わって来たみたいだ。
今はとにかく兵士を死なせたくない。
この後、何時一大決戦があるか分からない。
そう思っていたんだけど……。
「また使者が来たの?」
毎回の挑発は、面倒くさいな~。
木簡を受け取る。
『秦国叩かない? 合従軍するよ。
ふむ……。
「OK~、採用! 合従軍に参加しようか。今日から趙国は味方ね」
「「「えええ!?」」」
そうだった、
合従軍で成功すれば、秦国の統一がなくなる。
儂にとっては、唯一最後のチャンスかもしれない。いや、現時点で中華の最後の希望かもしんない。
「そういえば、燕国の大将軍って、歴史では不明なんだよな……。オ○ド?」
少なくとも、儂じゃない。
そして、儂が死亡する
歴史は、動き始めているぞ!
◇
さーて、準備しないとな。
燕国から函谷関まで結構遠いんだ。
それと斉国が、参加しないんだ。防衛も必要だ。これは、機密事項だな。漏れたら、歴史が大きく変わってしまう。
進軍中に本国を落とされる間抜けには、なりたくない。
まず、燕王さまに報告だな。
「燕王様。合従軍に行って来ます。秦国が暴れているので、処して来ますね」
「うん。頑張ってね。財宝を持って帰って来てね」
良し、許可が下りた。
5万人の軍勢で出陣だ。国内の半分の兵士を出兵させるけど、この戦に全てをかけないとね。もう、後がない。
兵糧は、趙国が出してくれることになった。
燕国は、寒くて農業が余り発達していないんだよね。
他国に援助して貰う。
換わりに塩の提供だ。内陸国の趙国は喜んでる。
趙国って、戦争ばっかりしているイメージがあるけど、時代なんかね?
秦国が攻め続けていて、そう見えるだけかな?
趙国を素通りして行く。
兵士には、略奪などしないように通達を出す。
今まで敵国だったけど、いきなり味方って言われても納得できないかもしれない。それは、趙国の民衆も同じだ。
視線が、それを物語っている。
「劇辛大将軍殿。ご苦労様です。良く参加してくれました」
ここで、声をかけられた。
「誰? 趙国の知り合いは、少ないんですけど?」
「李牧っす」
お~。この人か!
李牧と一緒に移動する。
史実では、北方を守っていたけど、合従軍でも参加していたんだ?
まあ、大した問題じゃない。
「皆、秦国に困ってんのね~」
秦国の東郡宣言って、それほど脅威だったのね。
「秦国は、隣接する4ヵ国を侵攻し続けていて……。もう、滅茶苦茶なんです。まあ、白起の時代からなんですけどね」
白起の時代より酷いのか~。
秦王は……、本気なんだな~。
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