第3話
「
中華の城って、塀で囲まれているんだよね。
とりあえず、弓矢をバンバン撃って、牽制しているんだけど、それでも梯子をかけられる。
だけど、撃退はできているな。
登って来た敵兵は、槍の餌食だ。
漫画みたいには、いかない。矛を一振りで、10人は吹き飛ばない。
そのまま、数日が過ぎた。
「うん? 北方に軍が見えるね?」
「劇辛大将軍! 援軍ですぞ!」
思ったよりも、早かったね。
ここで、斉軍に動揺が見られた。
引き始めたんだ。
「方城の状況は、分かる?」
「先ほど、伝令が来ました。防衛に成功しております」
もう史実と大分違うし、行けるか?
その後、撤退する斉軍を散々に叩いた。
城攻めしようとか言い出す将兵もいたけど、今回は防衛戦なんだ。
しっぺ返しを食らう前に、撤退を言い渡す。
「劇辛大将軍! いくらなんでも慎重すぎやしませんか?」
「だから~。趙国が、この武遂を狙ってるんだって。空の武遂を取られると、大分後退すんだよ? 孤立したいの? 負けたら、殲滅されるか、良くて奴隷だよ? 兵法って言葉知ってる?」
――シーン
ダメだな。燕軍の将兵は、視野が狭い。
国の末期症状だよね。
【まず隗より始めよ】をもう一回やらないと、ダメだね。
人材育成は……、儂の時間がないな。現場実習で覚えて貰おう。
◇
将兵を残して、儂だけ首都の
まあ、王様に報告だよね。
馬車の中で考える。
「もう始皇帝って秦王になってる頃だよな……。楚・韓・魏・趙との戦争が、激化している頃だよね。白起がいないのが、幸いかな~」
歴史を変えるのであれば、秦王を暗殺に行くのが正しい。
もしくは、秦国を真っ先に叩くのが上策だ。
だけど、地理的に離れ過ぎている。
現状だと、儂に動ける選択肢がない。
「このままだと、秦国の統一は変わらないかな~。李信とか王賁が怖いな~。つうか、儂が生きている間に会えるのかね?」
考えていると、王宮に着いた。
歩いて、王様の元へ向かう。
「劇辛大将軍! 防衛お見事。だけど、戦っても良かったんじゃない?」
「趙国は、兵士が多いですから……。ここで、燕国の兵士を減らすと、斉国が攻めて来ます。兵士の温存が、最善かと。趙国と斉国を争うように誘導しましょうよ」
とりあえず、納得して貰った。つうか、儂に兵権あずけてるんだからさ、口出ししないでよ。
とんぼ返りで、武遂に向かう。まだ、終わっているとは言い切れない。再度の侵攻の可能異性を考慮した。
「こんなことしている場合じゃないんだけどな~。地方の弱小国だと、大将軍でもできることが少ないな~」
◇
一年が経過した。
趙国も斉国も攻めて来ない。
その間に、儂は練兵を行った。その数、5万人だ。
燕国全体だと、多分10万人かな?
食料がそこまでないので、全ての人員を動員するのは無理だけどね。でも、治安維持には使えるだろう。
「そういえば、この後、
その未来は、避けたいな。
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