第2話 猫下さん新田次郎氏を語る
ジリリリリリとベルの音が鳴り、反射的に目覚まし時計を五つ破壊した後に、もう一度寝る態勢に入り目を閉じる。頭が程よく痺れていて、意識が途切れ途切れになってゆく。まるでマッサージをされているかのような深い眠りに誘ってゆく。暫くしてキーンというような耳鳴りのような音が脳内に響いて、何事だろうかと思いつつ、目を開けてみると、そこは暗闇の中であった。黒いカーテンに黒い敷毛布、真っ白な壁紙。全てが白黒で統一されたモノトーンの部屋は無機質であり緊張感を与え、程よい眠りを与えてくれるが、時としてそれは約束された時間を大いに裏切る行為となる。『わわわわわわ』声にならない奇声を発し、身体中に汗が噴き出てベッドから転がり落ちて、懸命に目覚まし時計を探すも、買ったばかりの真新しい時計たちは残念ながら
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