サンライズジパングの思い出 血統、馬体、戦績を追って
サンライズジパング(Sunrise Zipangu)
意味:冠名+日本
父キズナ
母サイマー
母父Zoffany
クロス
Coup de Folie 9.38% 5×4
Halo 9.38% 4×5
Crimson Saint 6.25% 5×5
父キズナはディープインパクト×Storm Birdのニックス馬。両者のいいとこ取りのような馬であり、スタミナ、パワー、スピードを高い次元で備えています。種牡馬としては我の強い印象。自身に似た大型でタフな産駒を輩出し、小柄な産駒もやはりスタミナとパワーに優れた産駒が多いと感じます。
母サイマーは、よくわからないというのが正直なところですが、母父Zoffanyはあの欧州の怪物フランケルの2着というアイルランドの傑物です。マイル以下で活躍していた馬であり、欧州的なスピードがありますが、高速競馬の日本では重たい血統と言わざるを得ないでしょう。
母の母の方へ目を向けるとNever vent、Nijinskyといったスタミナや底力を補強する様な血統が並んでいます。
クロスに関して特筆する濃いクロス等はないです。
馬体はキズナ産駒らしく骨量豊富で胴長ですが、多分Zoffanyに似ています。海外の馬なのでなんとも言えませんが、キズナ産駒にしてはスタイルが良いです。毛色も母、母父と同じだったりします。
スラッと長い四肢にゆとりのある胴体と見栄えする馬です。
全体的にスマートに写り、キズナ程腹袋が大きくないですし、顔が小さく首差しは程よい太さで伸びがあり、とにかく脚長なのが目を引きますね。繋が立ち気味なのもそう見える一端を担うでしょう。
肩周りの筋肉量が豊富でトモも幅があります。このあたりはキズナ産駒らしいなと感じます。
全体的に距離の持ちそうな長めの体ですが、筋肉質で繋も立ち気味なので極端に長い距離はどうかという感じです。
個人な感想ですがこういう馬体すごく良いですね。ヴェネチアとかにいそうなヨーロッパモデル体型です。ジパングだけど。
そんなグッドルッキングホースのサンライズジパングを初めて見たのはセレクトセール2022一歳の時です。
この時は上場番号76番モシーン2021が最も注目を集めていたと思います。その後も良い馬が出て来る中で、上場番号103番サイマー2021が現れました。
馬体の話でも散々言いましたように四肢の綺麗な見栄えする馬でしたので良いのがまた来たなと感じたのを覚えています。
3000万程から始まって、やはり高馬体なのですぐに値段が上がっていきました。
セリの際には動き回ってチャカチャカした感じはありました。なお、翌日の当歳セール479番ドゥラメンテ産駒レインオンザデューン2022を思えば非常に大人しかったです。
セリの最後の方はラストコールからの上乗せが3回程度行われ、最終的に税込み7040万で競り落とされました。
競り落としたのは紫白星散の勝負服とサンライズの冠名でお馴染みのライフハウス。ダート界の重鎮ですね(個人的印象です)。
競り落とされた後はデビュー前まで馬主等はあまり確認しないので、新馬の時期になってからサイマー2021を確認しようと調べた所、馬主ライフハウス、馬名サンライズジパングというのを知りました。絶対狙ったし、長年温めておいた名前だろうと思いました。
名前にサンライズがついた事で、サイマー2021に目をつけていた多くの人達はこの馬はダート馬だと自然と思い込む様になりました。馬主ゴドルフィンで馬名ジパングとかだったら絶対に芝馬と思うのですが、サンライズと付くと馬のダート適性が4割増し位に見えてきます。つまり、ライフハウス様の相馬眼は凄い。
デビュー前においては、調教では坂路で高タイムを出したり素質を見せていました。ファンの方々も調教タイムを見て一目置いていましたが、私は調教タイム見ても強そう位のガバガバ判定でした。調教時計に命かけてる人達はスゴいと思います。
デビュー戦は東京芝1800mに戸崎圭太騎手で臨みました。同レースには同じセールで5億で競り落とされたダノンエアズロック(モシーン2021)、シトラールといった期待馬が並んだ一戦となりました。
レースではスタートを決めたダノンエアズロックが逃げ、その1馬身から2馬身後ろを追走。直線では追い越しを図りますがあまり伸びずに5着となりました。一着はダノンエアズロックでした。
ニ戦目はレジェンド武豊騎手を背に阪神ダート1800mに向かいました。元よりダート馬だろうという声もファンからあり、ダート転向は歓迎されました。
最内で滑らかに出馬すると自身のペースを保って中団前目でレースを進めます。コーナーに差し掛かるとジワジワとポジションを上げ、直線では他馬を引き離す快勝を収めました。
ただ、コーナー回るときに外に膨れ、とんでもなくコーナーが下手くそでした。大外に吹っ飛んでいかなくてよかったと今更ながらに思います。
デカいダート馬らしく不器用な部分がまだこの頃はありました。
3戦目は早速の地方重賞、JG3JBC賞門別ダート1800mに挑みました。1800mすきだな。
鞍上は日本競馬界の闘魂注入機こと和田竜二騎手、大型ムキムキズブズブ馬と合わせればムチが乱れ飛ぶ未来が見えます。が、サンライズジパングは大してズブくないのでムチはそんなに飛びません。
レースでは12頭立て12番という位置から前に出していき、5頭程が固まった先団外に位置取り勝負所を伺いました。横に広い隊列に加えて、枠も外で内に入れる場所もなかった為にサンライズジパングは終始外を回される競馬でしたが、コーナーで隊列が縦に伸び始めると鞍上の手が動きました。内の馬に沿う形で極力ロスなく直線に侵入していきます。
直線では単独首位に躍り出ますが、外から差脚鋭く伸びてきたフォーエバーヤングに迫られ、1馬身半の2着となりました。しかし、3着には8馬身つけており、上位2頭が抜けたレースとなりました。
4戦目は東京ダート1600mに短期免許トム・マーカンド騎手を乗せて距離短縮の一戦。キレるというよりも持久力が持ち味の馬なので、個人的にはマイル戦はどうかという心境でした。
レースでは出てから終始追って追ってという状況で見どころのない15着。後々鞍上が騎乗ミス等を連発するので、騎手が原因と言われがちなレース。デアリングタクトコンビの印象が強く、そもそも忙しい距離はどうかと思っていた身としては騎手原因ではないと思っています。どうせなら溜めて差す競馬を試してほしかったというのはありますが。また、芝とダートの境界線で少し躓いたりと不利が重なったレースでした。
5戦目はG1ホープフルステークス、中山芝2000m。大一番に新馬以来の芝を舞台に選びました。鞍上は菅原明良騎手で期待のホープと初コンビとなりました。13番人気でしたが昨年の勝ち馬がダート好成績のドゥラエレーデだったので、ファンの中にも一発あるのではという期待感を持つ人もいました。
3枠5番という絶好枠からレースが開始され、早速鞍上の手が動きました。外から被せてくる馬を交わして先団グループに取り付いてコーナーに差し掛かります。少し馬が行き過ぎていると判断したのか手綱を引いて減速させ、自分のペースを保ちつつ、内から2頭目の囲まれずに抜け出しやすい位置取りを菅原明良騎手は展開します。
コーナー差し掛かりで少しずつ他馬が動いていく中、鞍上が促してポジションを上げて前が壁にならないように外目を回って直線へと入ります。
外には同じ戦術でコーナーからピッタリと併せていた鞍上クリストフ・ルメールのレガレイラが迫り、追い比べが始まると思った矢先、内からバウルジャン・ムルザバエフが手綱を取るシンエンペラーが大きくヨれて2頭に挟まれる形でサンライズジパングは失速、そのまま加速したレガレイラとシンエンペラーに先着された三着という結果に終わりました。
いや、ふざけるんじゃないよ。シンエンペラー、B・ムルザバエフ騎手、あれはダメだよ。制裁くらってもおかしくないよ。2着があったかと言われれば、サンライズジパングにそこまでの脚は残っていなかっただろうと思いますが、それでも許されない事態です。落馬事故でも起きたらどうするんだと。
今回のシンエンペラーは直線内で単独先頭となってすぐにソラを使って集中力がかけており、いきなり外へよれて行ったように見えます。鞍上は直線追い込みで数回ムチを振ってヨレ始めたの気づいて手綱を握ったが間に合わずという感じに見えます。
よれてぶつかった後、レガレイラと併せるとシンエンペラーは集中力を取り戻して首を下げたフォームに変わり、ファイトしていました。鞍上も常々子供な部分があると言っていましたし、そういう事なのでしょう。
芝ダート共に適正があり、足元が悪くてもこなせるパワー、ワンペースながらバテないスタミナと欧州系と米国系半々といった感じの馬であり、海外でも活躍できる期待もあります。キズナ産駒というのを考慮すれば息の長い活躍が期待できる一頭でしょう。
最近競馬界隈で流行りの二刀流馬としての素質を見せつけたサンライズジパングですが、500kg超えの筋骨隆々な大型馬という厳つい外見に似合わず、性格は甘えん坊だそうです。ありがたいね。
ホープフルステークスの調教インタビューでは、馬房の前に立ってインタビューを受ける調教助手さんの手をずっと舐めているのか首を伸ばしてイタズラしていました。カワヨですね。
こんなエッセイ見る暇があったらユーチューブで検索したら出てくるので、さっさとブラウザバックして見に行って下さい。
これURLね。
https://youtu.be/6hH-3mVwT2c?si=FFvOT-oqkxTMpdkv
かわいい馬を見て和んで下さい。
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