第13話 イケメンの本性はキモい【ざまぁ】

――――【渉目線】


 オレが中学生の頃のことだ。


『渉くん、これ受け取ってほしいの……』

『ちっ、しゃーねーな』


 モブ女がオレさまにバレンタインのチョコを献上しにきたので、嫌々受け取る。すでにオレの机の中は女どもの献上の品でいっぱいだった。


 自慢じゃないがオレは小学生の頃からモテた。


 クラスの女どもが列を成して並んでいたが、唯一オレに見向きもしない女がいる。


 桜塚志穂……。


 女子どもが黄色い声でオレの仕草に一喜一憂しているのに、志穂ときたらツンとしたお澄まし顔で大人しく席に座り、オレたちの喧騒などまるで気にしていない。


 だがそこにオレはそそられてしまっていた。


 オレは使い捨てのオナホみてえな女どもを差し置いて、席を立ち志穂の前に移る。


「なに? 石田くん」


 一瞬凍ったかと思えるほど冷たく、そして中学一のモテ男であるオレをまるでゴミでも見るかのような蔑んだような目で見てきていた。


 それでも志穂はモブ女どもとはわけがちげえ。


 志穂の容姿はモデルとか、女優とか、アイドルなんて比べもんになんねえくらいだ



 まさに神に愛されし芸術品。



 それがいずれオレのモノになる志穂を詩的にも優れたオレが表す言葉だッ。


 志穂をオレの女にできるなら、はっきり言って手段なんて選ばねえ。


 オレは蔑んだ目にもいっさい怯むことなく、志穂を誘う。


『なあ志穂。放課後、オレとデートしてくんね?』


 バンと机を叩いて、驚かした後に起こる吊り端効果というテクニックを使いながら。


『放課後は忙しいの』

『だったら、週末頼むわ。なあいいだろ?』

『私、石田くんのために空けられる予定はないから』


 ツーン♪


 志穂から言い放たれた返事はわさびをジェラード並みに盛って、一気に口に放り込まれたかのように刺々しい。


 これで何人もの女どもとベッドを共にしてきたが、志穂はオレにまったくなびかないどころか、席を立ち、教室を出ていってしまった。


 いいねえ。


 オレは志穂の後ろ姿をじっと見ていた。気づくとオレは志穂を見ながら、舌なめずりしていた。


 背中から美しい弧を描いて太股へとつながる美尻のライン……あの尻が真っ赤になるまで叩きながら、ぶち込んでやりたくてたまんねえな。


 あの刺々しくオレを拒絶する志穂をトゲアリトゲナシトゲトゲみたいにしてやる。ツンケンした態度がオレとシた途端に自分からオレにおねだりしてくる。オレが調教したメスガキどもはみんなそうだったからな。



 オレは急がず焦らず志穂を手懐ける方法を編み出した。


 れろれろ、れろれろ……ちゅぱちゅぱ♪


 マジうめえ!


 放課後、誰もいねえ教室に忍び込んで志穂の机の中で置きっぱになってたアルトリコーダーを抜き取り、舐め始めた。


 あの激かわピンクでぷるんと潤んだ唇が吹口ふきぐちとキスして、志穂の舌と唾液で濡れ濡れになってるのを想像するだけで、オレの股間がマジ有頂天って感じ!


 今度はオレの媚薬とも言える唾液を志穂が舐め取れば、オレに惚れた志穂はオレのリコーダーをずっぽり咥えるはめになる。


 オレはアルトリコーダーを分解し、志穂の美少女味を隅々まで堪能したあと、机へと何食わぬ顔で戻した。


 明日は音楽の授業……。


 志穂がオレの愛情たっぷりの唾液を舐める姿を想像するだけでイッちまいそうだった。


 だが意外なことが翌日起こった。


『志穂~、ごめんね。うちのリコーダー預かってもらって。なんかブサメンがうちの笛舐めてきてるような気がして気持ち悪かったから……』

『ううん、構わないから』


 は?


 音楽の授業を前にして、志穂はまさにメス豚と呼ぶのが相応しいデブ女の花園へとアルトリコーダーを手渡していたのだ。


 あろうことか、志穂は鞄から同じ形のアルトリコーダーを取り出していた。


『あれ? 石田きゅんの顔色が悪いけど、どうしたんだろう~、しんぱ~い』


 ぜんぶ、てめえのせいだよっ!!!


 デブ豚の花園がオレのことを心配してくるがマジでうれしくない! つか猟銃で即撃ち殺してチャーシューにしてやりてくらいだ!


 オレは信じがたいというか、信じたくない事実をようやく飲み込めると一目散にトイレへと駆け込んだ。



 オエエェェェェェェーーーーーーーーーー!!!



 便器に向かって盛大に流れる虹汁。


 オレがフルボッキさせ志穂の唾液が付着したリコーダーだと思って、舐めていたら花園のもんだったとか悪夢でしかねえ!


 暗かったからリコーダーの袋に書かれた志穂の名前を確認するのを怠ってしまったツケを支払わされてしまった。


 志穂の奴……許さねえ!


 オレをそこまで拒むとか。


 ただイケメンに加え、天才的頭脳を持つオレでも志穂を簡単に落とすのは難しい……。


 そこでパーフェクトな名案が降りてくる。


 世の中にはオレよりちょっと賢い奴が考えたようだが「将を射るには馬から」っつう慣用句がある。女どもを落とすには頭が回る男だってことをアピールしなきゃなんねえ。


 オレはお袋に先立たれた親父を焚き付けた。


 天がオレに味方したかのように志穂のところはシンママで授業参観のときに上手く仲を取り持ってやったら、意気投合して今や仲のいい夫婦って感じよ。


 まあオレのモテテクがなけりゃ、親父は一人で干からびてただろうけどなぁ!



――――新居。


『お邪魔します』

『あらあら、志穂ったら。ここはあなたのお家なのよ』


 オレと親父が引っ越しの片付けもそこそこにリビングでくつろいでいるとまだ表札の出ていないオレたちの新しい住まいに女の声が響いてくる。一人はもちろん……。


 リビングのドアを開けた志穂と目が合う。


『嘘っ!?』

『ホントなんだなぁ、これが!』


 オレは秘密裏に計画を進めていたことから、オレの親父と志穂の母親がいざ同居ってときに、志穂と顔合わせした。


 そんときの志穂の引きつった顔ったらなかったぜ。


『ま、今日から兄妹っつうことで仲良くやろうや』

『いや……いや……』

『志穂ちゃん!』


 志穂は頭を抱えて新居の部屋に駆け込んでしまい、心配した志穂の母親は不思議そうにしていた。


『あの子ったら、どうしたのかしら?』

『実は志穂の奴、オレに気があったぽいんですよ。だからオレと兄妹になったことがショックだっんじゃないですかねえ』


『まあ! そうだったの?』

『夏穂さん、志穂ちゃんのことは私たちで考えていこう』

『そうね、透さん』


 オレの親父が志穂の母親の手を握り、見つめあっていて、まさにバカップルって感じだった。


 まあオレも志穂を手に入れたあとは……義母をNTRするってのも悪くねえかも。


 さすが志穂の母親って感じだからな。


 ついにオレは男なら誰もが憧れる志穂と義理の兄妹となり、同居することになったことを期にかねてより準備していた志穂に夜這いする計画を実行に移すことにした。


―――――――――あとがき――――――――――

自業自得としか言いようがないバカる

まあ成功するはずがない! いよいよ次回、優一が志穂たんへと送った助言が妖怪笛舐めに炸裂しますwww いくらイケメンでも女子の笛を舐めるのはキモすぎ! と思われた読者さまはフォロー、ご評価お願いいたします。

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