第7話

 一応彼の部屋を見てから帰ろうと思い、そこに行く。

 その部屋の中は、二年ほど前に訪れたあの日と何も変わっていなかった。思わず安堵の溜息をつくと、後ろから「時萌ちゃん」と私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。振り向くとそこには鍵を持った計留のお母さんがいた。

「これ、この家の鍵。あと、ここに私の携帯の電話番号書いてあるからいつでも困ったことがあったら言ってね」

 彼女は鍵と電話番号が書かれた紙を渡して、またもや何処かへ去ってしまった。

 私は計留のお母さんに一言言い、家を出た。そして、帰る途中にあった文房具店でダイアリーを一つ買い、家へ帰った。

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