第4話

 私はその話を聞いてゾクっとした。

 なんだか、本当に未来でそんなことが起きるかもしれないと思ってしまったからだ。

「この夢が現実になる確率って何パーセント?」

「さあな。でも俺はほぼ現実には起こらないと思う。一応分からないから、ネットで調べてみるか」

 彼はポケットに入っていたスマホを取り出して検索する。でも、どのサイトにもそんな情報は書かれていなかった。

「さっき言ってたけどさ、夢が現実に起こる確率はほぼないって言ってたけど、どういうこと?」

 うーんと唸りながら、彼はグラデーションがかかっている空を見る。

「夢はその人の感情によって左右されるだろ? 思い込みの場合もあるけどな。でも、ただ純粋に楽しければ、ハッピーエンドの夢を見る。少しでも心の奥で渦が巻いていれば、ちょっとだけ闇がかかった夢を見る。まあ、あくまで俺の個人的な考えだけどね」

 なるほどと私は頷く。嘘か本当かは分からないけど、彼の言葉を信じてみようと思った。


 この話をされた次の土曜日、夢と同じ状況にあった彼は消息不明となった。だが、その翌週、彼のお母さんから彼が息を引き取ったということを告げられた。そして、ついに彼は私の前から消え去った。

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