第3話

 その日は何日だったかは忘れたが、土曜日だった。

 部活が終わり、家へ帰ると母親からの手紙がテーブルの上に置いてある。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 けいちゃんへ

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

  今日のお昼は自分で用意して食べて。

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                  お母さん

                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 その手紙の下にあったプチ袋にはニ、三枚のお札が入っているように感じる。

 母親に感謝しながら、財布にプチ袋ごとしまいこみ家を出る。

 家の近くにあるコンビニへ行こうとした途中、俺は車にはねられてこの世を去った。


 それから二年後。

 時萌のもとに俺からの手紙が届く。

 そして、破られているその手紙を全部探そうと俺の家を訪れる。


 更にそこから一年後。

 手紙のかけらを全部集めきった時萌は、俺が伝えたかったメッセージを知る。


 そして五ヶ月後、時萌は歩いているときにトラックにひかれてこの世を去る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る