ニノコマナミエタの章

05 無才の冒険者 その5

05 無才の冒険者 その5


 ニノコマナミエタ町に到着し、冒険者ギルドに冒険者登録しに来たラハクだったが登録に当たり、試験があるといったのがゴツクてイカツい受付係員だと思っていたのが実はギルマスだったという……

 そして、疲れ切っていた所にショックを受けたラハクは練習場にいつの間にか誘導されていた。相対するは年上の女冒険者。どの程度の強者かは知らないが、最初の激突で大体は把握。そして次の激突で彼女の木剣を斬り飛ばし……気絶したのだった。

※木剣で木剣を斬り飛ばすとか、普通の技量じゃ無理ですw(ラハクの場合は馬鹿力も含まれるけど!)

━━━━━━━━━━━━━━━


──起きたんならさっさと帰れや!──


「う゛……」


 何だか地面ではなく……少し硬いけどベッド?らしい所に寝かされてる……ような気がする。


「ん?……ようやく起きたか」


 視線だけを向けると、そこにはさっき戦った相手が……


「おい……慌てて起きなくてもいいぞ?」


 そうはいっても……まだ疲れが抜け切ってないのか動きが鈍い。


「だから、体が動くようになるまで寝てろって……」


 と、抑え込まれてしまう。毛布を掛けられ、仕方なくいう通り力を抜いて体を楽にする……


「う……わかった」


 目蓋を閉じ、再び眠りにつくラハクだったが、


バターンッ!!


 ……と、医務室のドアが開け放たれる。


「おいおいおい!……いつまで寝てんだ!?……登録が終わったらさっさと出て行け!」


 不機嫌なダミ声が響く。


「ギルマス!……彼は酷く疲れているんだ……だからもう少し寝かせて「黙れ!!」……うぐっ」


 再び眠りについたのに余りの大声で目が覚めるラハク。


「う……なに?」


 片目を開けて頭を軽く浮かせると、


「えーとラハクといったか?……起きたんならさっさと帰れや!」


 と、唯の受付のおっさんかと思ってたが、ギルマスと知ってショックを受けた人物でもある。だが、帰れといわれても宿泊する宿もまだ決まっていないのだ。


「えと……今、何時頃ですか?」


 早い所、宿を決めないとと聞いたのだが……


「あー……外はもう暗くなってるな」


 と、再びショック案件がいい放たれる……


「え……じゃあ、何処どこか野宿に適した空き地とか探さないと……」


 落ち込みつつ、ベッドの横に置かれていたズタ袋に手を伸ばすと……


「はぁ、しゃーないな。んじゃお前……「ラハクです」……ラハク、うちに来い」


「え?」


「ええっ!?」


「そーか、んじゃカレ(ギロリ)……じゃない、リーシャ。お前ん家に泊めてやれ……あー、襲うんじゃないぞ?」


「だっ……誰がこんな子供を襲うかっ!?」


「だーっはっはっはっ!……んじゃ、気を付けて、な?」


 と、ギルドの医務室付きの回復魔法使いと当ギルドで1・2を争う女冒険者「リーシャ」が面喰いつつも赤く顔を染めたラハク。そして耳まで真っ赤にしているリーシャは彼の荷物を持ち、彼の手を掴む。


「あ……歩けるか?」


「え……えぇ、多分」


「あー……間違いは犯さないでよ?……当ギルドの女性ながら1・2を争う強さを誇る子なんだからね?」


 間違えても子供を作ったらといい始めた医務室付きの回復魔法使いの女性を……


ギンッ!


 と音が鳴るかのような勢いで睨みつけ、


「そっ……そんなことするかっ!!」


 ……と、矢張り耳まで真っ赤にさせてラハクを強引に引っ張って歩き出すリーシャ。


「おーい!……靴忘れてるよ!!」


「あああ……ちょっ!……リーシャさん、僕まだ靴履いてないっ!!」


 と、地が出ているラハクに回復魔法使いは……


(何だ……彼、本来は丁寧語を使う可愛い坊ちゃんじゃない?)


 ……と、ニヤニヤするのだった(笑)


━━━━━━━━━━━━━━━

リーシャ「こっ……此処ここがわたしんだ!」

ラハク 「お……お邪魔します……じゃないっ!……世話になるぜ!」

リーシャ「……はぁ。お前、無理してるだろ?」

ラハク 「え?……ななな、何がかな?」

リーシャ「此処じゃ誰も見てねぇから……楽にしていいぞ?」

ラハク 「え……あ……まぁ……わかりました」

リーシャ(何処ぞのいいとこの坊ちゃんか何かか?……こいつ)

ラハク (はぁ……四六時中ガラの悪い振りってキツイからなぁ……助かるっちゃ助かるけど……)

※安住の地を見つけたラハク?……いや、何処からかこんな声が聞こえてきそうだ……「リア充爆発しろ!」とw

※リーシャの自宅は借家ではなく土地も家も彼女の持ち物です。元々は両親が購入した物ですが……


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