02 無才の冒険者 その2
ミスター・ムノー……なんて名で呼ばれてる訳じゃないけど、ラハクは年下の子によく
そしてエメヒチカ村に春が再び訪れる……
15歳となった子らは成人として働きに出ないといけない……スキルを得た子たちは、そのスキルに合わせた職業訓練を開始する。
だが、ラハクだけは
ラハク「お先真っ暗じゃん……」
母親の農作業を忙しく手伝ってる場合じゃないと気付いた時には、時既に遅し……なのだがw
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──将来何になるか……それが問題だ!──
「ラハク……考えは変える気は無いのか?」
「うん……父さん。このまま家に居ても
「そうか……まぁ俺からいえるのは……「死ぬな」……ってことくらいか」
「そうよ?……元気で生きていくのよ?」
「お母さんと家はしっかり守るから……気にしないで行ってらっしゃい!」
妹サマはニコやかな顔して毒を吐いてるような……いや何でもない(父さんは守るつもりが無さそうな所とかな……)きっと本人は悪意なんて無いんだろうけど、父さんも自分が守る
……まぁ、それは兎も角。
「わかった……
と、護身用らしい中古のナイフを貰った手前、文句もいえずに礼を述べる。両親からは路銀と丈夫な旅人の服を貰っている。ズタ袋には生活に必要な物資を突っ込んである……着替えを2着程。保存食。水。その他諸々を最小限だけ……
ちなみに、村から100km程離れた所に少し大きな町があってそこを目指すことが当分の目標となる。……町の名前は「ニノコマナミエタ」という。遠いので乗合馬車で行けばといわれてるけど……路銀じゃ全然足りないので遠慮しておいた。調べたら次の便は1箇月先だし、用意した路銀の3倍は掛かるっていう……いや、村じゃ物々交換がメインだし、貨幣を使うことってあんまり無いんだよね……。父さんは
「冒険者は足腰を鍛えてないと通用しないと思うし、歩いて行くよ!」
……ってことで、ズタ袋の中身を再確認した後……僕は実家を後にする。
少しだけ、ワクワクしながら……
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実は……妹サマに護身用にナイフ貰ったけど、狩った獲物を捌くくらいにしか使えないなぁ……と、正直思った。まぁ……持ってる武器はちょっと大きいんで有難いっちゃ有難いんだ。でも、「獲物を捌く専用に有難い」なんていえないので黙ってたラハクであった……
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