第79話 南から誕生日プレゼントをもらう

「文雄、誕生日プレゼントだよ」


「南、ありがとう・・・・・・」


 南のプレゼント箱は、琴美、詩織よりもワンランク大きかった。誕生日にかける思いが伝わってきた。


「文雄、中身を早く確認してよ」


「ああ。わかった」


 プレゼント箱を開けると、チーズケーキ、プリン、杏仁豆腐の詰め合わせセットが入っていた。文雄の大好物ばかりを、チョイスするのはさすがである。


「南は好みがよくわかっているね」


「小学校時代からの付き合いだからね。文雄の好みは、ばっちりと頭に叩き込ませているよ」


 南は顔を赤らめ。小さな声でいった。


「私とハグするプレゼントも用意したんだけど・・・・・・」


 南とハグするプレゼントと聞き、いつにもなく興奮することとなった。


「お願いします。ハグをしたいです」 


 南は子供をあやすみたいに、文雄の頭をゆっくりと撫でる。


「文雄はすっごく正直者だね。ご褒美として、ハグをしてあげるね」


 南は勢いよく、文雄の体を抱きしめる。


「文雄、すっごくあったかい・・・・・・」


「南もあったかいよ」


 詩織とハグをするよりも、はるかに多くのドーパミンが放出されている。文雄の中で、南>>>>>>>詩織をはっきりと認識した瞬間だった。


 南の腰に手を回してみる。琴美よりスタイルはいいのに、ほんのちょっとだけ肉がついている。弾力を知るために、腰の肉をつまんでみた。南は意図を察していたのか、柔らかい声を発する。


「スケベ、エッチ」


 彼女ともっと深い関係になりたい。南の肉をつまみながら、そのようなことを考えていた。


 南はハグした状態で、小さな吐息を立てる。


「南、お休み」


 文雄は体を離したあと、布団を準備する。その後、南をお姫様抱っこで布団に運んだ。小学生にしたときよりも、ずっと重くなっているのを感じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る