第76話 亜美の家に大量のマスコミがやってきた(亜美編)

 沖縄の量で過ごしていると、玄関のチャイムが鳴らされた。

 

 亜美は扉を開けた直後、大量のフラッシュを浴びることとなった。あまりの眩しさに、目を閉じてしまった。


「五年間も特定の男子生徒を無視するように仕向けたのは本当ですか?」


 マイクを持っていること、カメラに収めていることから、マスコミ関係者であることは察しがついた。

 

「同級生を殺すと脅したのは本当でしょうか?」


「他にもいろいろな証言を得ていますけど、そちらはどうなのでしょうか?」


「亜美さん、一言お願いします」


 新しい住所を知っているのは、親だけのはず。マスコミ関係者はどのようにして居場所をつきとめたのか。


「人をいじめることで、快感を得るのは楽しいですか?」


「いじめのやり方は、小学生の思いつくレベルではないのですが・・・・・・」


「いじめをしたのに、好きという感情を持っているのは本当ですか。事実だとすれば、人間としてあり得ないと思うのですが・・・・・・」


 情報はどこまで漏れているのか。亜美はそのことに、大いなる恐怖をおぼえた。


「質問に答えてください。お願いします」


「一言だけいただけないでしょうか・・・・・・」


 一人で過ごしており、フォローしてくれる人間はいない。大量のマスコミを相手に、どのようにやり過ごせばいいのか。


 パニックを起こした女は、マスコミから全速力で逃げた。その姿は、警察から逃げる犯罪者さながらだった。

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