第73話 プレゼントにメッセージ

 琴美、詩織からもらったプレゼントを開封する。


 琴美のプレゼントは、チョコレートケーキ。文雄の大好物の一つである。


 チョコレートケーキの横に、メッセージカードが入っていた。


「南さんを大切にするんだぞ。あの子だけはどんなことがあっても、橘君の味方になってくれるはずだ。


 ボクの最後のわがままとして、思いを伝えさせてほしい。橘君を初めて見たときから、恋に落ちたようだ。好きではないと否定しようとすればするほど、好きという気持ちは強くなるんだ。


 橘君の返事については聞かないことにする。望んだ答えを得られないなら、ボクがみじめになるだけだ。


 短い間だったけど、本当にありがとう・・・・・・」


 詩織の誕生日プレゼントは、プリンの詰め合わせ。こちらについても、文雄の大好物である。


 こちらについても、メッセージカードが入っていた。


「橘君、誕生日おめでとう。ささやかですけど、プレゼントを贈ります。


 橘君と目を合わせたときに、電撃が走るのを感じました。恋であることに気づくのに、長い時間はかかりませんでした。


 優しくするふりをして、胸に思いっきり飛び込みました。とっても温かくて、幸せを感じることができました。

 

 橘君には南さんがいます。私はどんなに頑張っても、勝機は1パーセントもないと思います。


 最後ですけど、彼女のことを大切にしてあげてください。あの子と一緒になれば、最高の幸せをつかめると思います」


 クラスの全員から嫌われていた男に、メスとしての反応を示した二人。必要としてくれる女性と出会えてよかった。

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