第64話 マスコミがやってきた(小学校の校長視点)
*小学校時代の校長の自宅前
小学時代のいじめが、新聞にて大々的に掲載されることとなった。教育委員会などの力を借りてもみ消したのに、どうしてばれてしまったのか。仲間だった中に、まさかの裏切り者がいたというのか。
インターネットではすぐに、多くの人が反応。小学校時代の教師、中学校時代に在籍していた教師に数え切れないほどの書き込みがなされた。
新聞の事実に真っ先に食いついたのはマスコミ。小学校時代の校長の自宅に、怒涛の勢いで押し寄せた。
「集団無視を容認していただけでなく、学校行事全般に参加させていなかったのは本当ですか?」
「山田校長、一言でいいので答えてください」
「山田校長、黙秘するということは事実と認識していいんですね」
「児童にそのようなことをして、恥ずかしいとは思わないんですか?」
「指導者としてより、大人として失格だと思います」
「生徒が自殺を図っていたら、どのようにするつもりだったんでしょうか?」
「○○し校長」
校長のところに、妻がやってくる。
「あなたのような人とは一緒にいられません。すぐに離婚届にサインして、家からいなくなってください」
校長の住んでいる家は、妻名義となっている。離婚したときは、こちらが追い出される。
「それだけは・・・・・・」
校長はすがろうとするも、妻は耳を傾けることはなかった。
「離婚届にサインをしたら、あなたとは赤の他人です。家に入った時点で、不法侵入として通報します。荷物については、新しい住所に送りますね」
年収も立場も妻の方が上。校長は黙って受け入れるしかないのを悟った。
妻は極秘にしていた事実を、山田につきつけてきた。
「若い女を引き連れて、ラブホを利用したみたいですね。こちらについて、たくさんの慰謝料をいただきますね」
泣きっ面に蜂とはまさにこのこと。山田の人生は、一瞬で地獄に落ちようとしていた。
「どうして、これを・・・・・・」
「あなたの帰りが遅いので、行動を調べさせていただきました。私の知るだけでも、10回以上は通っていたようですね」
妻は離婚のタイミングを見計らっていた。そのことに気づいたけど、完全にあとの祭りだった。
「あなたの退職金のすべてを、慰謝料としていただきます。老後はボロアパートで生活してください」
血も涙もない妻。私の人生は結婚相手を選んだときから、破滅の道を歩んでいたのかもしれない。
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