強烈すぎる鉄槌が下される
第45話 転校生がやってきた
本日に出席した生徒は、10人を切っていた。人数だけでいうなら、学級崩壊寸前レベル。
あまりに人数が減った場合、授業はどうなっていくのか。クラスメイトの未来に興味はないけど、自分のことには大いに関心があった。
本を読んでいると、授業開始時刻になった。文雄は図書室で借りた本を、鞄の中にしまった。
教室に「アイドルちゃん」、二人の女子生徒がやってくる。以前に聞いていた、転校生であると思われる。
「植野琴美です。よろしくお願いします」
琴美は髪は短く、化粧をしていなかった。元々の顔立ちもあって、美しいというよりはかっこいい印象を受ける。
胸については、大きく膨らんでいた。男っぽい見た目とアンバランスだ。
「朝倉詩織です。よろしくお願いします」
詩織は髪が長く、薄めのメイクをしている。琴美のような、ボーイッシュのイメージは受けなかった。清楚な女性というイメージだ。
拍手はまばらで、歓迎ムードからは程遠かった。
「新しい仲間が増えたんだよ。しっかりと歓迎してね」
拍手の音は、変わることはなかった。
「二人はどこの席に座るの?」
琴美、詩織はすぐに答えた。転校する前から、座る席を決めていたかのようである。
「橘くんの横にします」
「橘くんの前の席でお願いします」
二人は運んできたと思われる、机、椅子を移動させる。琴美はてきぱきと動くも、詩織は動きが鈍かった。南はすぐさま、詩織のところに近づいていく。他の生徒は、声をかけるそぶりすらなかった。
「詩織さん、椅子を持っていい?」
「ありがとう・・・・・・」
詩織は机だけなら難なく運んでいた。二つ同時はきついけど、一つだけならまったく問題ないようだ。
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