第24話 他人をいじめる快感をもう一度(志保編)

 人間はどうしていじめをやめないのか。


 他人をいたぶることに快感を覚えるのか。


 答えはいたって簡単。他では得られない、快感を得られるから。


 文雄、南をターゲットにすると、厳しい処分を受ける。他のクラスメイトから、ピックアップする必要がある。


 志保の中で、ある人物の名前が浮かぶ。いじめを主導した女はどうだろうか。たくさんの反感を買っているため、多くの同意を取り付けられるはず。


 いじめをすることによって、クラスはまとまった。同じことを提案すれば、昔の結束を取り戻せるはず。


 いじめ仲間を集めるために、親しくしていたクラスメイトにラインをかたっぱしに送っていく。同じ思いを持っているはずなので、協力を取り付けられるはず。


 クラスメイトから帰ってきたラインは、冷めているものが多かった。


「子供から成長していないんだね」


「一人でやればいいじゃない。他人を巻き込むなんて最低」


「一人では何もできない女・・・・・・」


「あんたには付き合いきれないね」


 5年間も無視していたくせに、こんなときだけいい子ぶるなんて。協力しようとしない女たちに、怒りがふつふつと湧いてくる。


 女の一人から、やばいメールが送られてきた。


「あんたをターゲットにするように、話を持ちかけてみるね。クラスの害悪だと知ったら、いろいろな人の協力を得られそう」


 一人ではどんなにあがいても、多数に勝つのは難しい。学校生活が地獄になるのを覚悟する必要に迫られた。 

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