第17話 暴走するクラスメイト(優香編)

 亜美の机に悪口を書けて、とっても満足していた。あいつは人を見下し、奴隷のように扱っていた。ちょっとくらい苦しんでも、胸が痛むことはまったくなかった。本当に死んでくれないかな。


 優香は机を見ると、信じられない言葉が書かれていた。 

 

「死ね・・・・・・」


「クズ、消え失せろ・・・・・・」


「青酸カリレベルの腐った心」


 私は怒り狂った内容を目にして、すぐさま意識を失いそうになった。誰がこんなことを書いたのだろうか。


 優香のところに、心梨彩芽がやってきた。一週間前までは、親友レベルに親しくしていた。


 彩芽は机の上を見ると、にんやりと笑った。


「優香にお似合いの言葉がたくさん並んでいるね」


 友人として過ごした日々は、完全に消えていた。この瞬間からは、害を及ぼす女とみなさなくてはならない。そのことに対して、失望の念が芽生えていた。


「亜美と少し親しくしていたからって、調子に乗るんじゃないよ。あたしは一秒たりとも、仲間と思ったことはないからね」


 文雄の無視で成り立っていた見掛け倒しの友情は、皮を一枚一枚はがされていく。いじめでしか結束できないことに、大いなる悲しさをおぼえた。


 文雄、南の二人は楽しそうに会話している。クラスが分解しているとあって、プラスの意味で目立っていた。

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