第5話:俺の部屋に女子高生。

「しかたない、いがみ合ってたっていいことないからさ・・・」

「俺のマンションに小玉ちゃんを連れて帰る・・・それでいいだろ?」


小玉ちゃんは両手を頭の上にあげて丸を作った。


女神様が丸をつくって丸く収まって俺たちは仲良く駅弁を食べた。

小玉ちゃんは嬉しそうに俺の顔をのぞきこんで、そして笑った。


その顔が、まじで、まじこで、めっちゃ、超、劇的に超絶、その表現以上に

可愛かった。


そんな訳で、大翔と小玉ちゃんは島根を後にした。


そして3時間ほどかけて電車は大翔のマンション近くの最寄りの

駅に止まった。

電車を降りた大翔と小玉ちゃん。


「ほら、あれ・・・あのレンガ壁の建物が俺のマンション」


大翔は小玉ちゃんを、とうとうマンションの自分の部屋に連れ込む・・・

って言い方はは聞こえが悪いから、ご招待することにした。


「今から俺の部屋まで、こいつで上がるからね・・・」


大翔の部屋は5階の西の端っこ。

我が部屋に行くために彼はエレベーターのボタンを押した。

しばらく待ってるとエレベータがやってきて扉が開いたので、大翔は

小玉ちゃんをエスコートしようと思った。


「はい、はいって」


ってうながした。


「え?・・・なに、これなに?・・・私をどこに連れてくつもり?」


「俺の部屋だよ、女神様・・・」

「あのね、俺の部屋に行くためには、これに乗らなきゃいけないの」

「これはエレベーターって言って、この箱に乗ってブイ〜って上に登って

くんだよ、分かった?」

「ずっと昔からいるのにエレべーターも知らないんだ」


「外の世界に出たのはもうずいぶん昔だから・・・それ以来ど田舎から

出てないからね、私」


「いいから、乗るよ」


そう言って大翔は小玉ちゃんの手を掴んでエレベーターに乗った。

知らない箱に乗せられて小玉ちゃんはちょっとビビてたかな。


エレベーターを降りて小玉ちゃんを連れて大翔は自分の部屋へ。


今まで大翔の部屋に入った女性は母親と大学時代の同級生数人くらいか。

社会人になってから女性との接触は皆無・・・。

お世話になってる雑誌社にもこれって子がいない。


酒が飲めないから、飲み会もキャバクラなんかも言ったことながないから

女っ気がまるっきりない。


酒が飲めないって理由だけど大翔は子供の頃、心臓弁膜症って病気を患っていて

死の境を彷徨ったこともあり、酒なんか飲んで動悸が激しくなったりすると

致命的になるから、酒は飲めない。


今でも心臓の脈拍が、ときどき飛んでるのが分かる。

心臓がいつまで元気打ってくれるかは・・・そればかりは分からない。

先天性だから手術はできないって言われた。


だからあまり激しい運動は命取りになる可能性があった。


「はい、はいって・・・」


「はいっていいの?」


「俺の彼女なんだろ・・・遠慮しなくていいよ」


「あ〜そっか彼女だった・・・忘れてた・・・」


「なに?、忘てたって?・・・くっついて来といてボケかますなよ」

「あ、ダメ、ダメ、ダメ、土足厳禁・・・靴脱いで上がって・・・」

「そこにスリッパあるだろ、それ履いて」


「ほいほい・・・」


(小玉ちゃんを見てると、なんかいけない気分になりそうだよ・・・)


(女神って言ったって、いまは、どこからどうみても女子高生だろ

まずいよな・・・余計なこと考えないようにしないとヤバいよ

でもな・・・まじで女子高生だし・・・)


(女子高生見てムラムラ来るなんて不謹慎だよな、俺)


つづく。


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