第6話 遊びに行こう
今日は深町さんとのデート?の日になった。
僕はいつものように自分がいつもきている、いかにもセンスがないような服を着て行こうとすると佐野にメチャクチャダメ出しされて、
佐野から普段はしない髪のセットの仕方や服の選び方などを押し付けられ、普段とは比べ物にならないくらいの姿に花咲はなっていた。
約束の時間までは少しあったが、自分も少し楽しみで君はしなかったが
早くきていたようだ。
昼頃の待ち合わせだったので休日の駅は遊びに行く人で賑わっていた。
ガヤガヤといろんな話し声が聞こえてきて自分も今か今かと時計を何度も見てしまう。
夏の暑い日差しと人混みの熱気で暑かったが
それもあまり気にしないくらい僕は楽しみに待つことができていた。
でも待ち合わせの時間の20分前に来てしまっているのでそんな早くはこないだろうと少し肩を落としていた。
その時不意に肩を叩かれ、後ろを向くと深町が立っていた。
「隼人!おはよう」
「ああ、おはよう、深町、、じゃなくて蛍さん」
「やっと否定せずに呼んでくれた〜」
「そんな喜ぶもんなの?」
「当たり前だよ!前までは私が言わないと変えなかったんだから
私のペースにも慣れてきたね〜」
「慣れないといつも怒られますから」
「確かに、それもあるかも」
そう言うと蛍さんは僕の服装をじっと見てきた。
「なんか、私が思ってた格好と違うんだけど」
「それは褒めてるの?貶してるの?」
僕は質問で返すと少し笑って
「褒めてるんだよ、いつもみたいな性格だったら、全身一色のコーデだったり、少しコーデには疎いかなと思っちゃったけど全然そんなことなかったね」
痛いところを突かれ何も言えないでいると嬉しそうに服を見てきた。
「うん、やっぱりいつも見てる制服じゃないから新鮮でいいね、カッコいいよ!」
カッコいいと言う言葉にドキッとしてしまった。
それに気づき蛍は少しにやって笑ってくる。
「カッコいいって言われて嬉しかった?」
「まっまあ、そりゃ嬉しいよ、でもコーデを考えたのは僕じゃないし」
そう呟くと聞こえたのか眉をピクッと動かした。
「へ〜コーデを考えたのは別の人なのか、そのコーデはすごく似合っているから、隼人の特徴を知ってるコーデを考えられる人」
少し空白の時間が生まれ恐る恐る聞かれた。
「まさかとは思うけど………女子じゃないよね?」
ちょっと焦ったように聞いてくる蛍さんは少し小動物のようで可愛かった。
「違う違う、聞いたのは男子だよ。ほら僕の友人の佐野だよ佐野君」
もう少しその反応を見ていたかったがすぐに答えた。
「なんだ〜佐野君か〜確かにすごく隼人と仲良いもんね」
はぁ〜と小さなため息をついて胸を撫で下ろしていた。
「よかった〜女子じゃなくて」
その時小さな声でつぶやいていた。
しかし、ちょっと距離が近かったためよかった〜とだけ僕に届いていた。
「んっ?何がよかったんだ?」
「なんでもないよ、ただの独り言」
そう言うが何故かまたじっと見てくる。その姿は何か餌を求めている動物のようだった。
(なんか、いちいち行動が可愛いな)
「蛍さん、何かあるの?」
「私言われてない」
「へっ?」
「私も服の感想言われてない」
「あ〜」
確かに、自分が言ったのだから相手にも言って欲しいのだろう。
僕は改めて蛍を見た。
いつも制服の姿しか見ないためか、あまり言葉が浮かんでこなかったが一つだけ頭に浮かんでくるものがあった。
「可愛い、、」
考えていただけだったのかが勝手に口から漏れていた。
こう言うと、蛍は僕を置いて歩き始めた。
「えっちょっと!待って」
「ほら、時間も結構経ってるし、そろそろいくよ」
どんどん先にいく蛍さんになんとか追いついた。
(どうしよう、機嫌損ねちゃったかな、もしかして感想が薄かったのかな)
心配している、隼人を前に蛍はすごく顔を赤くしていた。
(やばい、めっちゃ嬉しい!でも、今すごいニヤけた顔してる、見られたら変に思われるよね)
蛍は機嫌損ねたわけではなくてただ単に顔をみられたくないだけだった。
心からそう思うのだった。
今日私たちが行くのは映画館で私が見たい映画を隼人と一緒に観に行くことにしたのだ。
「隼人、これこれ」
「見たい映画って、、」
「そう、この前隼人が言っていた映画だよ」
そう言って指差したのは自分がこの前紹介した、本の映画だった。
「さっ行こう!」
そう言って券売機に紙幣を入れ席を選んだ。
「えっこの時間こんなに多いの?」
みるとほとんどの席が埋まっており、隣同士で座る席はなかった。
「別に、みるだけなんだから、離れててもいいんじゃないか?」
「それは私がよくない」
「なんで?!」
「隼人がどんな反応するのか見えないし」
「別に僕の反応見たって、、」
「あった!ここにしよう!」
そう言って選択したのはカップル専用シートだったのだ。
「えっ!?なんでここに決めた?!」
「いや、空いてたから、でももう発券しちゃったんですから取り消しはできないですよ」
ちょっと嬉しそうにしている感じあまりその雰囲気を壊したくなかったためうなずくことにした。
シアターに入る前にジュースを買った僕らは時間も迫っていたためシアターに急いだ。
シアターに入ると結構やっぱり人は多く、学生や大人の姿が多かった。しかし、恋愛映画なのでカップルもそこそこいるように見えた。
席に座ると、やはり距離がもちろん近くなる。
それを気にしていないのか、普通に座ってくる蛍さんに少し驚きの感情を持ったし、フライヤーさんから言われた、気があると言う言葉が僕の脳を駆け巡っていた。
そんなこと気にしていると、暗くなり、映画が始まった。
映画の内容は大学生の男子が余命半年の宣言をされた幼馴染の高校生の願いを叶えていく恋愛の話だ。
僕はこの本が初めて読んだ恋愛の話だったため結構、
恋愛は悲しいものなんだと感じていた。
映画を見始めると、二人の距離が段々と近づいていくところが
やはり自分は好きな表現だった。
チラッと横を見ると映画に釘付けになっている蛍の姿があり、
完全に一人の世界に入っているようだった。
邪魔するのも悪いと思い、少し感覚を広げたが
その時空いていた左手をギュッと握られた。
突然のことでびっくりしたが自分で離す気はなかった。
その後、映画の一番女子と見ていて気まずくなるシーンがやってきた。
僕は意識しないようにしていたが、蛍は少し顔を赤らめて手で顔を少し隠していた。
それを見てちょっと和やかになったり僕も映画に目をうつす、画面ではキスをしているシーンが映し出されていた。すると何故か僕の頬にも同じ感覚が感じられた。
ビクッと体を跳ねさせた僕を見て、ニヤ〜と笑みをこぼしている蛍がいた。
僕はすぐに小さな声だったが問いただす。
「何するんだよ」
「〜〜〜〜!〜〜〜〜〜?」
その時、ちょうど大音量の音楽で蛍の声が聞こえなかった。
鳴り止んだ後にもう一度聞いたがもう答えてはくれなかった。
その後はキスされたりして、もう僕の頭は映画どころではなかった。
その後、映画が終わり僕は異常に疲れていた。
「いや〜感動しましたね、特に最後」
「いい、映画だったろ、今度本も読んでみたら?」
「時間があれば読みますよ、ところで、キスされてどうでしたか?」
「あっあれは、、」
「あれは?〜」
ニヤニヤしながら聞いてくる深町に押された。
「はい、、よかったです」
「よかったか〜なんか真っ直ぐ感想言われちゃうとなんか恥ずかしいね」
「言わせる方も悪いだろ」
そう言って僕らはシアターを後にした。
外に出ると隣にはショッピングセンターがあり少し立ち寄っていくことにした。
ショッピングセンターでは蛍が行きたいところがあるらしくついていった。
着いたのは小物などが多く置いてある雑貨屋だった。
「ねえねえ!このマグカップ可愛くない?!」
そう言って見せてきたのは猫の顔をと耳が付いているマグカップだった。
「可愛いね、猫、僕好きだから」
「じゃあ、私、買っちゃおう」
そう言って、ルンルンでレジへとマグカップを持って行った。
その後、戻ってくると、何故か二つマグカップの箱持っており一つを僕に渡してきた。
「はい!これ」
「えっなんで、蛍が欲しくて買ったんじゃないの?」
「そうだけど、ほら、この前誕生日だったでしょ!だからプレゼント」
嬉しそうに渡してきたため断る気になれずありがたくもらった。
箱からは猫の可愛い顔がのぞいていた。
「ありがとう!蛍さん、大切にするよ」
「へへっならよかったよ」
蛍さんも嬉しそうに笑ってくれた。
「ねえ、あの映画の時なんて言ったの?」
僕はあの時言われた言葉がなんなのか気になっていた。
「あの時言ったのはね〜」
少し貯めて「内緒!」と言われてしまった。
その後、なんだったのか聞けぬまま、集合場所にしていた駅で解散して
各自家に帰った。
そう言えば返事のこと言えてなかったな。
でも、どう返せばいいんだろう。
家に帰ると早速猫のマグカップを取り出した。
その時一つの疑問が出てきた。
「蛍さん、誕生日なんていつ知ったんだろう?」
まあ、人から聞いたんだろうと思いそんなに重要には感じなかった。
家に帰ると、私は早速猫のマグカップを開けた。
この猫のマグカップは持ち手が猫の尻尾になっており、二つ買って合わせるとハート型になると言う、品物だった。
「私のプレゼントその場で買っちゃったけど受け取ってくれたな」
私が買って送ったのは同棲しているような恋人同士が使うようなペアルックのマグカップだった。
それに早速紅茶を入れて飲むのいつもよりも美味しく甘く感じられた。
私は今日、隼人にやったことを振り返ってみた。
まず、服を褒めて、映画館で恋愛映画を見て、手を繋いで、キスをして、ペアルックのマグカップを送った。
(あれっ?もはやこれ恋人みたいなことしてない?でも、私は気持ちを伝えたし聞けばよかったな〜返事)
私は改めて考えるとすごく恋人みたいなことをして悶絶していた。
(はぁ〜、これだけ恋人見たいなことして隼人はどう思ってるんだろ〜?!
恋人みたいだね〜みたいなこと思ってくれてるのかな〜、やばいめっちゃ気になる)
そう思ったが本人に聞くのは少しあれだと思ったのでどうしようか悩んでいると目の前にあったpcが目に止まった。
「そっか、私、フライヤーでもあるんだ」
私はそう考え、学校の課題や家の手伝いなどを夜までに終わらせてpcの前に座った。
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